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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (214 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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臨床現場を想定した環境でシミュレーションによるトレーニングを積むことで、実際の臨床現場で対処できる
一助となる。診療参加型臨床実習において、学生が侵襲的医行為(相当の侵襲性を伴うと考えられる医行為)及び
羞恥的医行為(患者に羞恥心を惹起させるような医行為)を患者に実施すると想定される場合、患者安全の観点か
ら、事前にこれらの教材や施設を活用し、十分教育することが重要である。
・シミュレーターを用いて反復練習をすることで、臨床技能を磨く。
・模擬患者の協力を得て、臨床技能(コミュニケーションスキルを含む)や医療者に求められる態度を身に付け
る。
・シナリオを用いたトレーニングを通して、状況判断、意思決定能力を獲得する。
・チームトレーニングによって、チーム医療の実践能力を高める。
・振り返りによって自己省察能力を高める。
・仮想現実(Virtual Reality)や拡張現実(Augmented Reality)、複合現実(Mixed Reality)の技術の応用もシ
ミュレーション教育に有効である。
また、従来の心肺蘇生や基本的臨床手技以外にも、緊急性が高く専門医への転送が必要な病態・疾患への初期
対応、災害、患者安全、多重課題、比較的対応が難しいコミュニケーション等、実体験による学修が困難な医療
場面の教育方略として、シミュレーション教育プログラムの開発と普及が望まれる。特に、緊急性が高く専門医
への転送が必要な病態・疾患への初期対応は、どの診療科の医師にも必須の臨床推論・初期対応の技能として、
臨床実習中にシミュレーション教育で学び、評価されることが期待される。
8.実習活動の記録の作成と自己省察
全国の医学部の臨床実習要綱及び臨床実習手帳等の内容を参考に、海外における臨床実習評価の方法等も参考
にしながら、学生の学修履歴の記録・学修のサポート及び臨床実習における学生の評価を目的に、以下の報告を
踏まえ、「学修と評価の記録」を作成した。
この記録は、Kolb の経験学修論に基づき、実践経験と振り返りをサイクル化させることを目的としており、学
生は主体的にこの記録を蓄積していくことが求められる。具体的には、学生は主体的に学修目標を設定し、担当
した症例のサマリーをまとめ、指導医や他の職種に多面的に評価をしてもらい、自己省察を行う。Significant
Event Analysis を用いた振り返りを行うことも考えられる。
記録は臨床実習の全期間を通して記録する部分、各診療科で実習中に記録する部分から構成される。また、こ
の記録は、学生の臨床実習における学修の記録となるのみならず、一部は学生の臨床実習の評価に用いることも
可能である。
実際の使い方としては、これまでのシラバスや臨床実習手帳等に追加するなど、各大学の理念と創意工夫によ
り充実した内容になることを期待する。また、この実習活動の記録は実習中に蓄積されて行くものであるので、
小型で携帯できるものにしたり、電子版にしたりすること等が奨励される。一般社団法人 国立大学病院長会議
が供用している卒前学生医用オンライン臨床教育評価システム(Clinical Clerkship E-POrtfolio of Clinical
training)の利用も考えられる。

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