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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (124 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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Ⅲ.方略・評価の事例
事例 1.プロフェッショナリズム
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
プロフェッショナリズム/ PR-01-01: 誠実さ、 PR-01-02: 省察
(2)方略
1)概要
医学教育モデル・コア・カリキュラムの学修目標として掲げているプロフェッショナリズムに関連した
項目は、いずれも、教育も評価も難しい内容ばかりであるが、ある程度効果的とされる方法をいくつか紹
介する。医師のプロフェッショナリズムに関する様々なテーマ(例:医師の働き方、倫理的ジレンマ等)に
ついて議論し、省察し、内在化するための機会を提供することは効果的とされている 29 。臨床実習であれ
ば、実際の診療経験を振り返る機会を設けることが一案である。また、臨床実習前であれば、動画教材を
有効に活用すれば、学修目標にそったテーマを予め準備し、系統的に学修目標について討議する場を準備
することができる。プロフェッショナリズム教育に有用な映画のリスト、及び患者のナラティブの動画素
材例(DiPEx)を以下に示す 30。なお、映画全体または映画のクリップを使用した教育法をシネメディケーシ
ョンと呼ぶ。
(http://jsme.umin.ac.jp/com/pro/jmse_recommend_movies.html#am15)
(https://www.dipex-j.org/)
28F

29F

2)どのような方法で教えるのか?
①動画を用いた教育
・プロフェッショナリズムの学修目標の中から、授業で取り扱うテーマを決める。それに合った動画を選定
する。
・授業時間も考慮しながら、事前に動画を見てきてもらうか、もしくは当日その場で見るかを決める。事前
に見てきてもらう場合には、見てこない学生へのフォローを考えておく。
・動画の著作権に配慮する。当日、講義室で上映する場合には特に問題はない(著作権法第 35 条)。事前に
見てきてもらうような設計にする場合、違法動画等を用いないようにする。
・映像の内容や扱うテーマが、学修者自身や周囲の人々の経験とあまりに近いために感情的に大きく揺さぶ
られる場合がある。気分が悪い、観賞していて辛い等あれば、途中で退席可能なことをあらかじめ伝えて
おく。
・視聴後、感想を 4~5 人のグループで議論する。動画を視聴して感じたこと、考えたことを自由に話し合
う。相手の意見に対して非難・判断・評価をしないことをグラウンドルールとしておくことは効果的であ
る。
・患者のナラティブについて動画素材を用いる場合には、視聴後、どの動画の内容を模倣して、学生が「医
師役」「患者役」「観察者役」となるロールプレイを行うことも効果的である。ロールプレイの後、それ
ぞれの役を演じてみてどのように感じたのかについて自身の意見を述べたり、お互いにフィードバックを
したりする。
・ロールプレイは、取り扱う動画によっては、学生が演じるには医学知識が不足し、難しいものもある。そ
の場合には、あらかじめおおまかな台本を準備する、教員が患者役をする等、学生のレディネスに応じた

29

リチャード・クルーズ,他. 日本医学教育学会 倫理・プロフェッショナリズム委員会(監訳),医療プロフェッショナリズム教育【理論と原則】.
日本評論社 2012:p52
30
孫大輔. 4. 患者の語りを用いたプロフェッショナリズム教育. 医学教育. 2019; 50(5): 507–11.
https://doi.org/10.11307/mededjapan.50.5_507

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