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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (13 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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うことを認識することも重要である。これらを意識しながら臨床実をはじめとする学修に臨めば、より有意義な
成果が得られることだろう。
「多様な場や人をつなぎ活躍できる」ということは、これから起こる多様な求めや変化に応えるという受動的
な側面だけでなく、医師として多様なキャリアパスが形成でき、多様なチャンスがあるということも意味する。
実際に、現在の医師の大半は臨床に従事しているが、基礎医学や社会医学に加え、法医学や矯正医療、検疫とい
った社会機能維持、保健所を含む行政、学校保健や他領域も含めた教育といった多様な領域に進んでいる医師も
いる。また、臨床医であっても日々の診療だけでなく、市民向け講座や政策検討、国際保健・医療に参画する等
多様な社会貢献を果たしている。人生 100 年時代において、卒業段階での選択だけではなく、卒後も様々な段階
で多様な選択肢があることを付言する。
また、多様な選択肢の中から自身の進む道を選んだ後においても、医学的関心を幅広く持つことは生涯にわた
って求められる。例えば、臨床医になっても診療を行う上でリサーチマインドを絶えず意識し、あるいは研究医
になっても新たな医学的発見を目指す上で常に臨床現場を意識することを努力し続けることが求められる。ま
た、異なる立場や場面を意識したり、他の選択肢を選んだ医師との連携を求められることは容易に想像できる。
さらには、医師の間だけで関係性を築くのではなく、医学・医療に関わる多くの人々と積極的に関係を築き、自
らも社会の一員として関心を持ち関与することも、「多様な場や人をつなぎ活躍できる」という目的の達成のた
めには必要不可欠なことであろう。
最後に、学問は先人の積み重ねの上に成り立つものであることから、入学した最初の授業から学問の尊さを感
じ取り、また、生命は太古の昔からの生活の営みが紡ぎ出すものであることから、臨床体験・実習や解剖学実習
では生命の厳かさや生と死の意味するものを感じ取りながら、学修に臨んでいただきたい。また、医学生の学修
環境は、大学の教職員だけではなく、患者や学外の医学教育関係者等、多くの方々の協力の上に成り立っている
ことを忘れてはならない。そのため、自己を理解し、様々な人の支えによって医学を学ぶ機会が得られたことへ
の感謝と敬意の念を持ち学修の成果を社会に還元するとともに、地域のリーダーの役割を担い、更に次世代にお
ける医学や医療の発展につなぐために、生涯にわたって精進していただきたい。そして何より、一人の社会人と
して高い倫理観と教養を持つことを強く求める。
4. 医学教育に携わる各関係者にお願いしたいこと
診療参加型臨床実習や学生の動機づけとしての早期体験実習の実施を含め、医師会、病院団体や地域医療対策
協議会等の行政を含む関係機関との連携を大学に期待したい。特に、今回の改訂で新規に追加した「総合的に患
者・生活者をみる姿勢」に係る資質・能力の教育を実現・充実するため、地域の医療機関等に、在宅医療や各種
保健活動も含め、各大学の実習等へ協力いただければ幸いである。医学教育とりわけ臨床実習は、今後、今まで
以上に医師の地域・診療科偏在や地域包括ケアシステムを意識した内容を含むことが期待される。
また、卒後の医療現場では、チーム医療や多職種連携の観点から、医療系職種に限らず、多くの職種との協働
が求められる。このため、卒前の段階からこれらを意識した教育が実施できるよう、医療関係者におかれては
様々な形でご協力いただきたい。各大学におかれては、必要な学修内容が十分担保できるよう、十分な実験・実
習時間の確保に配慮いただきたい。
なお、教育に当たっては、上記「医学生に求めたいこと」で示した内容についても考慮いただければ幸いであ
る。
5. 患者・市民への周知や協力の依頼
改正医療法等により、医学生が行う医業については、法的な位置付けをもって実施することとなった。上記
「医学生に求めたいこと」でも述べたとおり、診療参加型臨床実習の円滑かつ安全な実施にあたっては、患者と
して関わる市民の理解が必要不可欠である。実習における患者からの同意については、本書に収録されている
「診療参加型臨床実習実施ガイドライン」でも示しているが、診療参加型臨床実習への市民の協力を広く請うた
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