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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (12 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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人口構造の変化、多疾患併存、多死社会、健康格差、医師偏在、増大する医療費、新興・再興感染症や災害リ
スクなど様々な問題に直面し、これらの社会構造の変化は、年を経るにつれ更なる激化が見込まれている。
医療者としての根幹となる資質・能力を培い、多職種で複合的な協力を行い、多様かつ発展する社会の変化の
中で活躍することが求められる。また、患者や家族の価値観に配慮する観点や利他的な態度が重要である。医療
や技術が高度化され、医療を取り巻く環境は大きく変化している中、さらには、人工知能等の情報・科学技術を
含めた医療分野で扱う情報は質も量も拡大・拡張しており、これらを適切に活用した社会への貢献も求められ
る。
このような社会の中で状況を的確に把握し、時代の変化や予測困難な事項に多職種と連携、協力しながら柔軟
に対応し、生涯にわたって活躍できる医療人を養成するために、上記キャッチフレーズを念頭に本改訂を実施し
た。
○2040 年以降の社会も想定した医学・歯学・薬学において共通して求められる資質・能力
医師養成には、6 年間の卒前教育に加えて、臨床研修や専門研修等など、一定期間の時間を要する。このた
め、これらの専門教育を経て、学生が医療人として活躍する 2040 年以降の社会も想定し、モデル・コア・カリ
キュラムを改訂する必要がある。2040 年頃、日本の高齢人口はピークを迎えるが、それ以降も高齢化率は上昇を
続けると予測されている。これに伴い、多疾患の併存や、様々な社会的背景を有する患者等の割合の増大が見込
まれ、これらの患者・生活者を総合的にみる姿勢が、医療人として求められる。さらに、生産年齢人口の減少と
相まって、今後日本においては、生産年齢人口負担がますます増加することが予測されるとともに、地理的にみ
ると、全国の居住地域の約半数で人口が半減すると予測されており、この急激な人口構造の変化に応じて、大幅
な医療需要の変化に対応できる医療人の養成が、社会的に重要である。加えて、将来医療現場において活用され
うる新規科学技術について、先んじて全てを卒前教育にモデル・コア・カリキュラムとして盛り込むことには限
界があるものの、倫理を含めて基盤となる情報・科学技術を活かす能力について、その素養を身に付ける必要が
ある。このため、平成 28 年度改訂版医学教育モデル・コア・カリキュラム(以下、「旧版」という。)の資質・
能力に、新規に「総合的に患者・生活者をみる姿勢」、「情報・科学技術を活かす能力」の 2 つを加えた。
また、医療人として求められる基本的な資質・能力は、専門分野に関わらず共通している。そこで、今回の改
訂では「求められる基本的な資質・能力」に関して原則として医学・歯学・薬学の 3 領域で共通化した。多職種
の卒前段階の教育の水平的な協調を進め、医療人として価値観を共有することは重要である。
○卒前・卒後の一貫性
卒前教育(共用試験や国際認証を含む)、国家試験、臨床研修、生涯教育等との一貫性について関係機関等と協
議を行い、卒前から卒後までのシームレスな教育を見据えて改訂を行ったことを付言するとともに、関係各位に
謝意を表する。医師養成をめぐる関連制度(共用試験の公的化及び医学生の医業の法的位置付けの明確化、国家
試験出題基準、臨床研修到達目標等)との整合性を担保するための方策を具体化することとし、卒前・卒後の一
貫したシームレスな医師養成の更なる推進を図る。
3. 医学生に求めたいこと
今回の改訂のキャッチフレーズである「多様な場や人をつなぎ活躍できる」ことを達成するためには、医学・
医療の概念を幅広く捉えることが求められる。
例えば、今日の医師に求められる役割の一つとして、予防医療がある。すなわち、医療全体を考えるにあたっ
ては、病気の診断や治療だけではなく病気の背景を考え、また健康の社会的決定要因、スポーツ・運動や栄養・
食育の重要性についても認識することが必要である。また、幅広い視野を持つという観点では、患者一人一人が
それぞれに社会生活を営んでおり、在宅医療を含め医療現場で目にするのは患者の生活の一場面に過ぎないとい

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