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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (213 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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(3)指導医及び学生が、学生の診療参加について認識しておかねばならない法的側面
1)学生は診療への参加が始まる前に大学が定める評価基準(共用試験を含む)を合格している。
2)医療安全や院内感染対策については、研修や抗体検査・ワクチン接種等、実習が行われる病院の職員と同
等の対策が実施されている。
3)学生による診療録形式の記録や医療文書の下書きは、指導に当たる医師が最終的に執筆・署名する。
4)学生による医行為は指導に当たる医師の指導・監督の下で行う。
5)学生に許容される医行為水準は、実習統括部門等により定められており、実習指針に記載されている。
6)患者あるいはご家族に対し実習の趣旨を説明し、学生を共用試験に合格した「学生」として明確に紹介
し、学生が担当し医行為を行うことについて同意を得る。また、同意の取り方についても実習指針に記載
されている。
5.複数の診療科で共通する学修目標と方略
学修目標のうち複数の診療科で共通するものについては、学生が継続的に学ぶことができるよう、例えば以下
のように指導法やローテーション、評価方法等を工夫する。
(1)症例呈示や診療録記載等、ほぼ全科に共通する学修目標については「臨床実習全体の学修目標」として設
定し、指導に当たる医師の指導法や教材、学修評価・指導体制評価の方法を共通化する。診療科の特性上、
学修目標を共通化できない診療科では、その差異を学生に明示しておく。
(2)一般的に、学生が担当患者や医療スタッフとの良好なコミュニケーションを形成し、診療参加型臨床実習
が実質化するには、一定期間以上の配属が必要とされている。責任感や良好なコミュニケーションに基づく
診療態度の形成など医師のプロフェッショナリズムの教育をねらいとするためにも、必修の学修目標を学ぶ
ことができる診療科では、学生ができるだけ一か所で継続的に学べ、評価を受けることができるような配属
スケジュールが望ましい。また、同じフロアの診療科を続けてローテートできるようにするなど、可能な限
り学生の学修環境が継続するような工夫が望ましい。
(3)ほぼ全科で共通する学修目標以外に、複数の診療科で共通の学修目標を設定できる場合は、診療科間で共
通の学修目標を設定し、指導に当たる医師の指導法や教材、学修評価・指導体制評価の方法を共通化し、継
続的な指導、評価ができるように工夫する。(例:内科系、外科系、小児科・小児外科、地域医療等)
(4)医療安全管理や感染対策に関する学修機会として、病院職員向けに実施されている医療安全管理・感染対
策研修会を学生に受講させることが考えられる。
6.地域医療実習
地域の実情に応じた医療・保健・福祉・介護の現状及び課題を理解し、医療の基本としてのプライマリ・ケア
の実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲得するための方略として、以下が考えられ
る。
・学外の臨床研修病院等の地域病院や診療所、さらに保健所や社会福祉施設等の協力を得る。
・早期臨床体験実習を拡充し、低学年から継続的に地域医療の現場に接する機会を設ける。
・衛生学・公衆衛生学実習等と連携し、社会医学的(主に量的)な視点から地域を診る学修機会を作る。
・人類学・社会学・心理学・哲学・教育学等と連携し、行動科学・社会科学的(主に質的)な視点から地域にお
ける生活の中での医療を知り体験する学修機会を作る。
・具体的経験をもとに、学年に応じた知識の積み重ねと統合を繰り返し、臨床実習においてはその知識の具体
的活用を練習する機会が望まれる。そのため、複数学年でのらせん型カリキュラム等が考えられる。

7.シミュレーション教育
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