よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (16 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の概要
モデル・コア・カリキュラムの改訂においては、以下 7 つの基本方針に基づき改訂した。
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.

20 年後以降の社会も想定した医師として求められる資質・能力の改訂
アウトカム基盤型教育のさらなる展開(学修目標の再編成と方略・評価の整理)
医師養成をめぐる制度改正等との整合性の担保に向けた方策の検討
スリム化の徹底と読み手や利用方法を想定した電子化
研究者育成の視点の充実
根拠に基づいたモデル・コア・カリキュラムの内容
歯学・薬学教育モデル・コア・カリキュラムとの一部共通化

Ⅰ. 改訂の方針
1. 20 年後以降の社会も想定した資質・能力の改訂

今回の改訂にあたり、医学・医療をとりまく社会の変革や科学技術の進歩などを考慮にいれた「医師
として求められる基本的な資質・能力(以下「資質・能力」という。) 1は、生涯にわたり研鑽して獲得
する、医療人としての資質・能力と位置付けて、将来の医師像を明確に示し、第 1 章に記載した。

我が国の人口構造はいわゆる 2040 年問題として少子高齢化がさらに進み、多疾患併存患者などへ
の対応が今後一層求められる。専門分化する医学・医療の中で、患者の心理及び社会文化的背景
や家族・地域社会との関係性を踏まえることのできる能力の重要性が増している。

モデル・コア・カリキュラムの改訂が行われた後、各大学のカリキュラムが変更されて卒業生を
輩出し、臨床研修・専門研修などを経て社会の中心で医師として活躍するには、おおよそ 15~20
年程度の年月を必要とすることからも、モデル・コア・カリキュラムの目指す医学・医療は 20 年
後の社会を想定しておくことが望まれる。

情報・科学技術の進歩において 20 年先を想定することは容易ではないが、発展し続ける情報社会
の中で、人工知能(AI)などを含めた科学技術を適正に活用して医療と医学研究を行っていく能力
は、背後にある倫理性も含めて極めて重要である。
0F

2.アウトカム基盤型教育のさらなる展開(学修目標の再編成と方略・評価の整理)
今回の改訂で、最も大きな変更の一つである。

従来、科目・教科の順次性に沿ったモデル・コア・カリキュラムであったものを、アウトカム基盤型
教育の考え方に則った資質・能力ごとの記載へと改変した。

第 2 章を「学修目標」
、第 3 章を「学修方略・評価」としてそれぞれ第 1 章に展開した資質・能力
に紐付けて記載している。

学修目標

学修者(医学生)が教育の修了時(卒業時)に「どのような能力を身につけていることが望まれるか」

1

モデル・コア・カリキュラムにおける資質・能力の言葉について、文部科学省が用いる用語としての「資質・能力」の定義(※)を踏襲しつつ、
「一人の個人が身に付けることができる資質・能力」の言葉に統一させることで、読者に対してよりわかりやすく表現することを目指した。な
お、この資質・能力は、アウトカム基盤型教育における「アウトカム」、コンピテンシー基盤型教育における「コンピテンシー」に相当する。
(※)「資質」「能力」について、例えば、教育基本法第 5 条第 2 項では、義務教育の目的として、「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会におい
て自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」とされている。ここで、「資質」と
は、「能力や態度、性質などを総称するものであり、教育は、先天的な資質を更に向上させることと、一定の資質を後天的に身につけさせると
いう両方の観点をもつものである」(田中壮一郎監修『逐条解説 改正教育基本法』第一法規, 2007 年)とされており、「資質」は「能力」を含む
広い概念として捉えられている。

6