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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (145 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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事例 7.臨床微生物学・感染症診療
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
専門知識に基づいた問題解決能力/ PS-03-03: 感染症
(2)方略
1)概要
臨床実習前学年:共用試験(CBT)の前の教育においては、細菌学、真菌学、ウイルス学、寄生虫学等の微
生物学、免疫学、薬理学、病理学等の知識が、臨床現場で円滑に想起され、活用されるように促す工夫が必
要である。そのためには、その知識が応用される現場・背景を新しい知識とともに提供する背景学修
(Contexual Learning 又は Situated Learning)が活用できる。また背景学修により、微生物学、免疫学、薬
理学、病理学等の関連領域が統合されて学修できる利点がある。
臨床実習学年:内科系診療科での臨床実習の際に、屋根瓦式の診療グループを形成し、学生が口頭での症
例提示を中心に、診療グループ及び指導教員とディスカッションする指導医回診を行う。学生の担当症例
で、病態生理から、感染症が鑑別診断に挙がる場合に、臓器と原因微生物、治療法を想定し発表してもら
う。その臨床的な妥当性について、診療チームで検討し、議論する。その場合、学生、研修医、指導医の間
で、発言の心理的安全性の確保が必要である。発言や質問がしやすい学修環境を整備し、自律的に、臨床判
断等を提示できるように促す。
2)どのような方法で教えるのか?
①講義、Case-based Learning (CBL)、Team-based Learning (TBL)
細菌学、真菌学、ウイルス学、寄生虫学等の微生物学の科目授業の際に、一部分を CBL や TBL を取り入
れ、症例を基盤とした授業とする。例えば、グラム陽性菌の授業では、肺炎球菌が起こす疾患である市中
肺炎について、症例を用い、「66 歳の男性で、主訴は、発熱と咳とし、これは肺炎球菌による感染症で、
市中肺炎という病態である」ということを学修してもらう。TBL については、感染症に関する知識の習得
度に配慮して時期を設定する。感染症科目講義の後半以降とし、さらに関連する事項については事前学修
課題を設定しておくとよい。
②小グループ学修:Problem-based Learning (PBL)
学生を小グループに分け、症例を用いた自主学修を行う。チューターは、症例の情報を順次、提供しなが
ら、最終診断を「感染症」とし、臓器と微生物について学ぶ形式を取る。臨床実習学年以降でも、たとえ
ば敗血症など重要な疾患・病態については、Off-the-Job Training(Off-JT)として PBL を組み込んでおく
とよい。個人防護具の選択・着脱法を習得する機会ともなる。
③教育回診(Teaching Round)
臨床実習において、学生が医療面接、身体診察を行った患者につき、診療現場で、屋根瓦式の診療グルー
プ内での業務を進めながらのディスカッションを行う。リアルタイムで、鑑別診断、治療方針を決めて行
きながら、学生が現場で微生物、培養検査、抗菌薬治療等についても、実臨床を通し、学修する。診断の
際にはグラム染色の機会を設けることが望ましい。
3)誰が教えるのか?
①講義、CBL、TBL
微生物学・免疫学・薬理学等関連領域の教員と内科系、総合診療科等で、感染症診療に関わっている教員
が合同で相談し授業を行う。基礎医学系の知識と臨床現場での知識が統合されるように工夫が必要であ
る。
②小グループ学修(PBL)
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