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参考資料3_医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (181 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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5)誰が読んでも同じ内容として理解されるように、分かりやすい文字で、分かりやすく記載する必要があ
る。
6)一部の医師(医療従事者)の間でしか通用しない略号は使用しない。
(4)診療録の記載の具体的説明
1)病歴
1. 現病歴に記載すること
病歴を聴取することで患者に起きた出来事に関する情報の収集と、聴取の過程の会話を通して、患者
との信頼関係を構築することを目的とする。
主訴:患者の自覚する苦痛、または、受診目的を記載する。
現病歴:上記の目的を達するため、患者の苦痛の種類(困っていることは何か)、と鑑別診断に必要な
情報全てを時間の流れとして記載する。鑑別診断を行う上で必要と判断し聴取した内容(例えば、発
熱を主訴に来院した患者について、呼吸器感染症を疑って聴取した咳の有無、痰の症状等)や、鑑別
診断の鍵となる所見については、陰性所見(例えば、「発熱はなかった」など)であっても記載する。
また、他の医療機関に受診した経過がある場合には、受診日時、他院での診断・治療内容・治療によ
る病状の変化、なども記載する。
2. 既往歴に記載すること
過去に罹患した疾患名と罹患時期
(過去の出来事であっても現在の主訴に関連した事項は現病歴に記載)
アレルギー歴、輸血歴、アルコール歴や喫煙歴
常用薬、月経及び出産歴
3. 生活・社会歴に記載すること
職業、出身地、旅行歴等
4. 家族歴に記載すること
家系図の記載、罹患疾病や死因・死亡年齢
遺伝性疾患が問題となるときには該当疾患を有する患者の有無

記入に際し、日本人類遺伝学会が提唱する記号を用いる。

同居者は同一枠内に囲む。
2)身体所見の書き方
1. 記載の内容
未記載事項が指定されている場合、全ての項目を埋める。
大きく分けて、病歴から疑われる疾患の鑑別に必要な所見 (腎血管性高血圧を疑う患者での腹部動脈
の血管雑音の有無等)と、全ての患者でとるべき基本的身体所見 (血圧、脈拍、黄疸、貧血等)を記載
する。
2. 記載する順番
所見を取る順番は、緊急の場合を除き常に一定の順番で、頭から足方向へ、診察する。所見をとる順
番と同じ順に記載する。
3)入院時のまとめ
1. 入院時の問題点をプロブレムリストとしてまとめ、重要な問題点から#番号を付けて記載する。
2. 入院時点での診断名
3. 主鑑別に挙がる疾患リスト
4. 検査計画
5. 治療計画
以上をまとめた後、入院診療計画(変更)書を記載する。
4)毎日の経過の記録
1. 時間毎に SOAP で毎日記載することが原則(慢性疾患の場合には 1 週 2 回以上)、入院時にまとめたプ
ロブレムリストの#番号ごとに SOAP で記載する。
S (Subjective) 自覚症状(本人の訴え、自覚症状)
O (Objective) 他覚的所見(身体所見、検査所見)
A (Assessment) 評価(主治医の考える病態、診断名、重症度や治療の緊急度の判断)
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