福祉用具の事故防止に向けた体制強化に関する調査研究事業 報告書 (169 ページ)
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出典情報 | 福祉用具のサービス提供におけるPDCAの適切な実施等について(7/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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福祉協会
老健事業
報告書 【パイロット版】
1. 多職種連携による事故防止の重要性
(1) 多職種連携のあり方
利用者のケアに関わる多職種とは、利用者本人・ご家族、介護支援専門員、福
祉用具専門相談員、訪問介護のヘルパー、訪問看護の看護師など利用者が利用し
ているサービスによって様々です。そのような様々な職種の方が関与する状況で、
多職種が連携して事故防止をするためには、チームの情報共有と意識合わせ(コ
ンセンサス)をどう形成するかが鍵になります。
利用者が福祉用具を使用して生活している中で、日々関与する各職種の皆さん
は、互いの専門的な視点から、利用者の状態の変化の有無と内容やあるいは懸念
点、福祉用具を正しく使用できているか、生活の中で新たなニーズや困っている
ことがないか等を確認し、随時チーム内で情報を共有してください。他の職種も
気づいているだろう、認識しているだろうと思っても、他職種の視点からは気づ
いていないことも多くあります。良いこと、悪いことを問わず、小さな気づきを
共有し話し合える雰囲気づくりをすることが重要です。
特に、進行性疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)
、脊髄小脳変性症(SCD)
、パー
キンソン病(PD)など)の利用者や認知症の利用者など、日々利用者の状況が進
行、変化するような場合には、チームでのケアの方針変更の検討が必要になるこ
とも考えられるため、特に密な情報連携が重要です。このような場合、チームに
所属する福祉用具専門相談員は他職種から提供された情報を基に、適時・適切な
福祉用具の見直しを行うことで、常に利用者が安全に福祉用具を利用し、今の生
活を維持するための支援ができます。
(2) 多職種連携における福祉用具専門相談員の役割
福祉用具専門相談員は、利用者本人・ご家族だけでなく、利
利用者を取り巻く多
職種の方々にも、福祉用具の利用目的や正しい操作方法、使用方法、注意点など
を伝えていくことが必要です。過去のヒヤリ・ハット事例の中には、利用者本人
による誤使用・誤操作だけでなく、家族や他職種等による誤操作で発生した事例
もあります(下表参照)
。福祉用具の正しい操作方法・使用方法は、他職種を含
め利用者に関わる全員が理解することが重要です。
また、障害福祉サービスから介護保険に移行してきた利用者や、介護者の高齢
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