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資 料4-1 令和3年度第6回安全技術調査会の審議結果について (92 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26025.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会(令和4年度第1回 6/8)《厚生労働省》
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2021 年 1 月 14 日時点で、国内において主に流行しているのは、B.1.1.284 及び B.1.1.214 系統の変異株
である10)。この 2 系統は 2020 年 3~4 月に欧州で流行した変異株を由来とし、抗体の中和活性に影響す
るアミノ酸変異は認められない。一方、2020 年 12 月上旬以降、国内でも、英国、南アフリカ共和国及
びブラジルで 2020 年 9 月~12 月にかけて報告された変異株(B.1.1.7 系統、B.1.351 系統及び B.1.1.248
系統(P1 系統)が報告11)され、いずれの変異株も中和抗体からの回避が懸念されている。
SARS-CoV-2 変異株に対する本剤による中和活性の誘導を確認するために、COV001 試験(7.1.2 項参
照)で本剤を 2 回接種した被験者の血清を用いて B.1.1.7、B.1.1.248 及び B.1.351 変異株に対する中和抗
体を測定したところ、Victoria 株 9)と比較して B.1.1.7 変異株では 2.3 倍、B.1.1.248 変異株(P1 系統)で
は 2.9 倍、B.1.351 変異株では 9 倍中和活性が低下した。
現在、オックスフォード大学及びウィットウォーターズランド大学との提携で、本剤の有効性と免疫
原性に懸念のある SARS-CoV-2 変異株に対する予備的評価を実施しており、包括的なウイルス学的臨床
調査プランによって、新たに出現する変異株に対する中和活性の評価も行う予定である(7.R.2.4 項参照)。
機構は、申請者の説明を了承した。変異株に対する本剤の有効性については 7.R.2.4 項で引き続き議論
する。
3.R.3 疾患増強リスクについて
機構は、SARS-CoV 及び MERS-CoV に対するワクチンの動物試験において、ワクチン接種によってウ
イルス感染時の症状がワクチン非接種時よりも増強するリスク(疾患増強リスク)が報告されているこ
とから、本剤接種による疾患増強リスクについて説明を求め、申請者は以下のように説明した。
疾患増強リスクは、SARS-CoV や MERS-CoV の他に呼吸器疾患を引き起こす RSV に対するワクチン
でも報告されており、中和活性のない抗体の産生及び CD4 ヘルパーT 細胞を誘導し、肺における好酸球
浸潤を伴う Th2 優位の免疫応答に起因すると考えられる。(Clin Vaccine Immunol 2016; 23: 189-95)。し
かしながら、本剤接種後に、動物試験において SARS-CoV-2 に対する中和抗体が産生されること、及び
Th1 優位の液性免疫及び細胞性免疫が誘導されることが確認されている。さらに、本剤のアカゲザル及
びフェレットを用いた攻撃試験(3.1.3 項及び 3.1.4 項参照)において、本剤群では対照群と比較して、
SARS-CoV-2 の曝露による好酸球浸潤を伴う肺炎の増悪は認められなかった。
以上を踏まえると、本剤接種による疾患増強リスクは低いと考える。
機構は、申請者の説明を了承した。本剤をヒトに接種した際の疾患増強リスクについては 7.R.3.4 項で
引き続き議論する。

非臨床薬物動態試験に関する資料及び機構における審査の概略
本剤を用いた生体内分布試験の成績が提出された。

10 ) 国 立 感 染 症 研 究 所 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス SARS-CoV-2 ゲ ノ ム 情 報 に よ る 分 子 疫 学 調 査 ( 2021 年 1 月 14 日 時 点 )
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/10152-493p01.html
11)国立感染症研究所 日本における感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルスの新規変異株症例について
(2021 年 2 月 26 日時点)。B.1.1.7 変異株が 152 例、B.1.351 変異株が 4 例及び B.1.1.248 変異株が 2 例、国内で報告されている。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10221-covid19-37.html

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バキスゼブリア筋注_アストラゼネカ株式会社_特例承認に係る報告書

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