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資 料4-1 令和3年度第6回安全技術調査会の審議結果について (150 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26025.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会(令和4年度第1回 6/8)《厚生労働省》
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の CVT(脳静脈血栓症)の発生率[95% CI]は、18~49 歳では男性 1.39[0.73, 2.42]/10 万人年、女性
2.22[1.34-3.48]/10 万人年であり、50 歳以上では男性 2.35[1.31-3.92]/10 万人年、女性 1.86[0.98-3.24]
/10 万人年であった(Stroke 2020; 51: 3023-9)。日本における CVST の発症率に関する報告は見つからな
かった。
上記の検討の結果から、現時点では新たな注意喚起は不要と考えるが、注目すべき有害事象の 1 つと
して引き続き監視、評価を継続する。
機構は、海外製造販売後に報告された血栓性、血栓塞栓性及び神経血管性イベントに関連した欧州当
局等における動向は下記のとおりであることを確認した(2021 年 3 月末時点)。
オーストリアにおいて本剤接種後に 2 例の血栓性事象が認められたことを踏まえ、2021 年 3 月 7 日
に、オーストリア当局は同国内における本剤の接種を中断することを発表した( https://www.basg.gv.at/
en/market-surveillance/official-announcements/detail/zwischenfaelle-nach-impfung-mit-covid-19-impfstoff-von-a
strazeneca(最終確認日:2021 年 4 月 6 日))。以降、他の欧州諸国でも類似の症例が報告されたこと等
から、各国で本剤の接種を中断することとなった。
EMA の報告28)によると、2021 年 3 月 14 日時点で英国及び EU/EEA において約 2,000 万人に本剤が接
種された。接種量は、英国において同年 2 月 28 日時点で約 970 万回分、EU/EEA において同年 3 月 11
日時点で 550 万回分超であった。同年 3 月 16 日時点で EudraVigilance において検索された本剤接種後に
認められた血栓塞栓性イベントは 469 件(うち 276 件が英国からの報告)であり、重篤は 436 件(93%)
で 59 例(13%)が転帰死亡であった。これらの多く(63%)は女性であり、平均年齢は 60 歳であった。
本事象の発現数は一般集団において推定される発現数よりも少なく、本剤接種と血栓塞栓性イベントの
リスク上昇の関連性を示唆する十分なエビデンスはなかった。ただし、それらの中には非常にまれな事
象のシグナルも検出されており、7 件の DIC、18 件の CVST(脳静脈血栓症及び脳血栓症を含む)が報
告された。うち DIC の 4 件及び CVST の 6 件は転帰が死亡であった。多くは 55 歳以下の女性で認めら
れたが、本剤を接種された母集団の偏りを反映している可能性がある。また、多くは本剤接種から 14 日
以内に認められた。これらの事象は非常にまれであり、ワクチンを接種しなかった場合の自然発生率と
比較することは困難であるものの、COVID-19 流行前のデータに基づくと、14 日以内に本剤接種を受け
た 50 歳未満の者から 3 月 16 日までに英国及び EEA で報告されると推定された DIC の症例数は約 2 件
(実際は 5 件)であり、同様に推定された CVST の症例数は約 3.3 件(実際は 13 件)であった。なお、
CVST については、EudraVigilance での調査のデータロック後に、EU/EEA 諸国からさらに 8 例の報告が
あったが、これらについて十分な情報は得られていない。
EMA は以上の検討を踏まえ、同年 3 月 18 日に、予備的な評価の結果、本剤が血栓性イベント全体の
リスクを上昇させることは示唆されず、本剤接種のベネフィットは有害事象のリスクを依然として上回
ると発表した(https://www.ema.europa.eu/en/news/covid-19-vaccine-astrazeneca-benefits-still-outweigh-risksdespite-possible-link-rare-blood-clots(最終確認日:2021 年 4 月 6 日))。一方で、EMA は、本剤接種と、
CVST を含む非常にまれな、血小板減少症を伴う血栓性イベントとの関連性は否定できず、さらなる評
価が必要とした。医療従事者に対しては、息切れ、胸痛、下肢の腫脹、持続性の腹痛、激しい又は持続

28) EMA, Signal assessment report on embolic and thrombotic events (SMQ) with COVID-19 Vaccine (ChAdOx1-S [recombinant]) – COVID-19
Vaccine AstraZeneca (Other viral vaccines) ( https://www.ema.europa.eu/en/documents/prac-recommendation/signal-assessment-report-embolicthrombotic-events-smq-covid-19-vaccine-chadox1-s-recombinant-covid_en.pdf(最終確認日:2021 年 4 月 6 日))

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バキスゼブリア筋注_アストラゼネカ株式会社_特例承認に係る報告書

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