第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書 (9 ページ)
出典
| 公開元URL | http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_16_All.pdf |
| 出典情報 | 第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書(3/27)《日本医療機能評価機構》 |
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産科医療補償制度再発防止委員会
委員長
木村
正
このたび第16回再発防止に関する報告書を取りまとめることができました。本報告書の分析対象事
例は、2024年12月末までに原因分析報告書を児・保護者および分娩機関に送付した4,118件です。
「第3章
テーマに沿った分析」では、第2回再発防止に関する報告書、第15回再発防止に関する報告
書でも取り上げた「吸引娩出術について」を取りまとめました。吸引娩出術は、日本産科婦人科学会周
産期統計によると集計された分娩の6.7%で行われ、母体の帝王切開術の回避、胎児の危機的状況から
の早期離脱に大きく貢献しています。今回は、2015年以降出生事例のうち、吸引娩出術が実施された
在胎週数満34週以上かつ単胎事例240件に対して分析を行いました。これは、本報告書の分析対象事
例のうち2015年以降出生事例の12.5%にあたります。第15回再発防止に関する報告書の分析を踏まえ
て、原因分析報告書の「臨床経過に関する医学的評価」
(以下「医学的評価」
)における吸引娩出術に関
する指摘に着目したところ、分析対象事例240件のうち122件に指摘がありました。実施に関しては44
件、記録に関しては91件に指摘があり、そのうち両方に指摘がある事例は13件でした。実施に関する
指摘内容で最も割合が高いものは総牽引時間、記録に関する指摘内容で最も割合が高いものは吸引娩出
術開始時の先進部の高さでした。これらの結果から、吸引娩出術実施にあたっては個々の状況を踏まえ
て総合的に検討することや吸引娩出術実施時に守るべきこと、実施した内容を診療録等に記録すること
などについて提言しています。
「第4章
産科医療の質の向上への取組みの動向」では、これまで5つのテーマで集計を行っていまし
たが、今回は第15回再発防止に関する報告書の「第3章
テーマに沿った分析」の結果を踏まえ、吸引
娩出術に関する集計を除いた4つのテーマで集計を行っています。また、年次推移をより長期的に把握
できるよう、グラフの形式を変更しました。
再発防止委員会では、重度脳性麻痺事例のみの分析から分娩全体について推測される可能性が指摘さ
れていたことから、第15回再発防止に関する報告書において日本産科婦人科学会周産期統計との比較
検討を行いました。今回は、本制度の補償対象である重度脳性麻痺を発症した事例を分析対象とし、原
因分析報告書の医学的評価をもとに記述疫学的分析を行いました。多くの施設で分娩数が減少し臨床経
験の機会が限られる現在の医療現場において、重度脳性麻痺を発症した事例から学ぶことは大変意義が
あると考えます。今後も分析テーマに応じた適切な方法を用いながら分析を行ってまいります。本報告
書の分析結果が臨床現場や教育現場において活用され、産科医療の質の向上につながることを願ってい
ます。
毎年、再発防止委員会で複数の事例を通して分析することができますのは、補償対象となったお子様
とそのご家族、および診療録等を提供いただいた分娩機関の皆様、周産期医療に携わる産婦人科医・小
児科医・助産師をはじめとする医療従事者の皆様のご理解とご協力によるものであります。心から感謝
申し上げ、今後とも再発防止に関する報告の充実に努力してまいりたいと存じます。
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