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第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書 (48 ページ)

公開元URL http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_16_All.pdf
出典情報 第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書(3/27)《日本医療機能評価機構》
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第3章

テーマに沿った分析

記録に関する指摘あり事例が4件(30.8%)
、記録に関する指摘あり事例が22件(28.2%)、指摘なし
事例が9件(7.6%)であった。吸引娩出術の総牽引時間における不明の割合は、実施に関する指摘あ
り事例が10件(32.3%)、実施・記録に関する指摘あり事例が7件(53.8%)
、記録に関する指摘あり
事例が51件(65.4%)
、指摘なしが40件(33.9%)であった。吸引娩出術開始時の先進部の高さにお
ける不明の割合は、実施に関する指摘あり事例が14件(45.2%)
、実施・記録に関する指摘あり事例が
9件(69.2%)、記録に関する指摘あり事例が60件(76.9%)
、指摘なし事例が65件(55.1%)であり、
すべての事例で不明の割合が高かった。このように、吸引娩出術実施に関する項目(総牽引回数、総牽
引時間、吸引娩出術開始時の先進部の高さ)の数値が不明である事例が多くみられた。
産婦人科診療ガイドラインでは、吸引娩出術について診療録に記録すべき内容として、吸引娩出術の
適応と要約、吸引娩出術開始時の児頭下降度あるいは児頭最大通過面の高さおよび実施回数などをあげ
ている3)。そのため、実施が適切かどうかを総合的に判断していることを示すために総牽引回数や総牽
引時間だけでなく、適応や要約等の産婦人科診療ガイドラインで推奨されているすべての項目について
記載することが必要である。また、吸引娩出術に関する判断や実施した内容について正しく記載するこ
とは、実施した内容について系統的に振り返ること、ひいては産科医療の質の向上にもつながると考え
る。なお、緊急時等で即時に記録することが困難な場合には、妊産婦や児の対応が終了した際に速やか
に診療録等に記録することが望まれる。
さらに、1)分析対象事例の概況で述べたように、分析対象事例においては、主に胎児機能不全によ
り吸引娩出術が実施され、出生直後の児の状態が重篤な傾向にあると考えられたため、児が低酸素状態
に陥っており、早期の娩出が必要な緊急度の高い状況で吸引娩出術が実施された事例が多く存在する可
能性がある。このような緊急時に備え、日頃から医療スタッフ間でコミュニケーションを図り分娩に係
る役割分担を行い、必要事項の記録を習慣化することで、緊急時にも混乱を避け、円滑に対応できると
考える。
(3)脳性麻痺発症の原因に関する分析
吸引娩出術の実施に関する指摘あり事例と吸引娩出術の実施に関する指摘なし事例において、脳性麻
痺発症の原因として記載された頭部画像所見の分類および産科的事象に違いがあるか確認するため、吸
引娩出術実施に関する指摘あり事例44件と吸引娩出術実施に関する指摘なし事例196件それぞれにつ
いて原因分析報告書に記載された脳性麻痺発症の原因を集計した(表3-Ⅱ-8、表3-Ⅱ-9)
。その結果、
頭部画像所見の分類における低酸素性虚血性脳症が、吸引娩出術実施に関する指摘あり事例では38件
で86.4%、吸引娩出術実施に関する指摘なし事例では153件で78.1%であり、指摘の有無にかかわら
ず割合が高かった。頭部画像所見の分類における低酸素性虚血性脳症の産科的事象をみると、吸引娩出
術実施に関する指摘あり事例では、産科的事象の記載ありが38件(100%)
、産科的事象の記載なしが
0件(0.0%)であった。吸引娩出術実施に関する指摘なし事例では、産科的事象の記載ありが152件
(99.3%)、産科的事象の記載なしが1件(0.7%)であった。低酸素性虚血性脳症の事例における産科
的事象についてみると、産科的事象の記載ありのうちその他に吸引娩出術が含まれており、吸引娩出術

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