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第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書 (26 ページ)

公開元URL http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_16_All.pdf
出典情報 第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書(3/27)《日本医療機能評価機構》
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第3章

テーマに沿った分析

吸引娩出術実施に関する指摘あり事例と指摘なし事例における頭部画像所見の分類は、いずれも低
酸素性虚血性脳症の割合が高く、いずれも産科的事象として吸引娩出術が記載されている事例があっ
た。吸引娩出術実施に関する指摘あり事例と指摘なし事例の傾向に大きな違いはないことから、吸引
娩出術の実施方法が脳性麻痺発症に影響を与えるとは言い切れない。一方で、脳性麻痺発症の原因と
して吸引娩出術のみが記載された事例はないものの、吸引娩出術実施に関する指摘あり事例におい
て、産科的事象に吸引娩出術が記載されている事例の割合が吸引娩出術実施に関する指摘なし事例よ
り高いことが認められている。これらのことより、吸引娩出術は産婦人科診療ガイドラインの記載内
容に沿って実施することが望ましい。加えて、吸引娩出術実施の際には、妊産婦・児の状態、地域の
連携状況および自施設の医療体制等、個々の状況を踏まえて吸引娩出術が有効であるかについて、ま
た、吸引娩出術開始後の継続・中止について、総合的に判断することが望まれる。

3.産科医療の質の向上に向けて
1)産科医療関係者に対する提言
(1)吸引娩出術は、妊産婦の状態、児頭下降度および児頭回旋等の分娩進行状態を十分に把握した
上で、最新の産婦人科診療ガイドラインに記載された内容(適応や要約および方法)に沿って
実施することが望まれる。また、医師は手技の習熟に向けて自己研鑽に努めることが望まれる。
(2)吸引娩出術実施にあたっては、帝王切開術への変更を想定した上で、妊産婦・児の状態、地域
の連携状況および自施設の医療体制等、個々の状況を踏まえて総合的に検討することが望まれ
る。また、吸引娩出術開始後は、妊産婦・児の状態を観察しながら、継続や帝王切開術への変
更について判断することが重要である。
(3)吸引娩出術実施の際には、実施した内容を振り返って分析・評価できるよう、適応、要約およ
び実施した内容について診療録等に記録することが必要である。即時に記録することが困難な
場合には、対応が終了した際に速やかに診療録等に記録することが望まれる。
(4)吸引娩出術等の急速遂娩術を必要とする緊急時に円滑に対応できるよう、日頃からスタッフ間
でコミュニケーションを図り分娩に係る役割分担を行うこと、必要事項の記録を習慣化するこ
とが望まれる。
2)学会・職能団体に対する要望
(1)吸引娩出術について、最新の産婦人科診療ガイドラインに記載された内容(適応や要約および
方法)に沿って実施するよう、産科医療関係者へ周知徹底することを要望する。
(2)産 婦人科診療ガイドラインにおいて、吸引娩出術は習熟した医師が行うよう記載されている。

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