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第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書 (54 ページ)

公開元URL http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_16_All.pdf
出典情報 第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書(3/27)《日本医療機能評価機構》
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Ⅱ.吸引娩出術について

頭部画像所見:生後1日、頭部CTで両側帽状腱膜下血腫、高度脳浮腫を認める
生後10日、頭部MRIで大脳基底核・視床に信号異常があり低酸素性虚血性脳症の所見を
認める
(5)診療体制等に関する情報
施設区分:病院(周産期指定なし)
2)脳性麻痺発症の原因
(1)脳性麻痺発症の原因は、分娩経過中に生じた胎児低酸素・酸血症により低酸素性虚血性脳症を発症した
ことであると考える。
(2)胎児低酸素・酸血症の原因は、臍帯圧迫による臍帯血流障害の可能性がある。
(4)出生後に生じた帽状腱膜下血腫と播種性血管内凝固症候群が脳性麻痺発症の増悪因子となった可能性が
ある。
(5)胎児は、妊娠39週4日の分娩第Ⅰ期の中頃より低酸素の状態となり、その状態が出生時まで進行し低酸
素・酸血症に至ったと考える。
3)臨床経過に関する医学的評価
(1)妊娠39週3日6~10分間隔の痛みでの受診時の対応(内診、分娩監視装置装着、帰宅としたこと)
、およ
び妊娠39週4日陣痛発来による入院時の対応(内診、分娩監視装置装着)は、いずれも一般的である。
(2)妊娠39週4日21時13分微弱陣痛と判断し、オキシトシン注射液による陣痛促進を開始したこと、およ
び陣痛促進に関する同意取得方法(書面による説明・同意)は、いずれも一般的である。
(3)22時33分胎児徐脈が持続するため、子宮底圧迫法併用の吸引娩出術を開始したこと、吸引娩出術の要
約を満たしていることは一般的である。しかし、実施方法(吸引5回、総牽引時間23分)は基準から逸
脱している。
(4)22時56分子宮底圧迫法併用の吸引5回で児娩出に至らず、23時9分に分娩停止、胎児心拍異常のため帝
王切開を決定したことは一般的ではない。
(5)帝王切開の決定から26分後に児を娩出したことは一般的である。
4)今後の産科医療向上のために検討すべき事項
(1)吸引分娩については、
「産婦人科診療ガイドライン―産科編2017」に則した実施方法が望まれる。また、
急速遂娩の方法として吸引娩出術を選択した場合、分娩に至らないと児の状態はさらに悪化し、娩出の
緊急度は上昇する。したがって、吸引娩出術を行うときは、常にそのことを念頭に置き、総牽引時間が
20分を超える場合は、速やかに帝王切開を行うことが望まれる。
(2)自施設での帝王切開決定から児娩出までに要する時間をふまえて、吸引娩出術により児が娩出できない
場合に速やかに帝王切開が行えるよう、自施設における帝王切開決定の指針の策定が望まれる。

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第3章

(3)子宮底圧迫法を併用した吸引分娩が胎児低酸素・酸血症の増悪因子となった可能性がある。