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第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書 (24 ページ)

公開元URL http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_16_All.pdf
出典情報 第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書(3/27)《日本医療機能評価機構》
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第3章

テーマに沿った分析

は0 ~ 3点が68.8%、臍帯動脈血ガス分析値pH7.0未満が40.0%で最も割合が高いことから、分析対象
事例の多くが胎児機能不全の適応で吸引娩出術を実施し、出生直後の児の状態が重篤であることがうか
がえた。ただし、本章の分析対象事例は重度脳性麻痺事例のみであり、吸引娩出術を実施したすべての
分娩において同様の結果であるとは言い切れない。また、今回の分析では、個別事例における胎児心拍
数波形の検討は行っていないため、急速遂娩実施の時期や方法の選択等の妥当性については、今後分析
方法を検討する必要がある。
2)原因分析報告書の「臨床経過に関する医学的評価」に関連した分析
本章では、原因分析報告書の「臨床経過に関する医学的評価」より、吸引娩出術に関する指摘を「実
施」と「記録」に分類し、吸引娩出術に関する産科医療の質の向上を図るための指摘について分析し
た。
(1)吸引娩出術に関する指摘内容の分析
実施に関する指摘をみると、指摘ありは18.3%であり、指摘内容は、総牽引時間が8.3%、総牽引
回数が7.9%であった。加えて、吸引娩出術開始時の子宮口開大度、判断と対応等ほかの項目にも指
摘があった。このことから、吸引娩出術実施にあたっては、実施内容だけではなく、吸引娩出術に関
連した判断や対応を適切に行う必要があるといえる。また、吸引娩出術が適正な方法で実施されてい
るかの評価には吸引娩出術に関連する内容を総合的に分析することが必要である。
吸引娩出術は、多くの分娩機関で行われる手技である一方で、子宮胎盤循環の悪化、臍帯圧迫など
による胎児への酸素供給の減少および児の帽状腱膜下血腫等の合併症のリスクがあるといわれてい
る。産婦人科診療ガイドラインにおいては、吸引娩出術実施にあたり、総牽引時間が20分、あるい
は、総牽引回数が5回を超えて児が娩出しない場合には、鉗子娩出術または帝王切開術を行うことが
推奨されている。加えて、吸引娩出術の実施者について、原則として、その手技に習熟した医師が実
施する、または習熟した医師の指導下で医師が実施することが許容されると記載されている。これら
のことより吸引娩出術実施にあたっては、産婦人科診療ガイドラインの記載内容に沿って実施するこ
とが望まれる。また、吸引娩出術をより安全に実施するために、医師は吸引娩出術実施に関する手技
を向上させるよう研鑚が求められる。
(2)吸引娩出術に関する指摘の有無および分類別の分析
吸引娩出術に関する指摘の有無および分類別に集計したところ、吸引娩出術実施に関する項目(総
牽引回数、総牽引時間、吸引娩出術開始時の先進部の高さ)の数値が不明である事例が多くみられ
た。産婦人科診療ガイドラインでは、吸引娩出術について診療録に記録すべき内容として、吸引娩出
術の適応と要約、吸引娩出術開始時の児頭下降度あるいは児頭最大通過面の高さおよび実施回数等を

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