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第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書 (25 ページ)

公開元URL http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/report/pdf/Saihatsu_Report_16_All.pdf
出典情報 第16回産科医療補償制度再発防止に関する報告書(3/27)《日本医療機能評価機構》
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Ⅱ.吸引娩出術について

あげている。そのため、実施が適切かどうかを総合的に判断していることを示すために総牽引回数や
総牽引時間だけでなく、適応や要約等の産婦人科診療ガイドラインで推奨されているすべての項目に
ついて記載することが必要である。また、吸引娩出術に関する判断や実施した内容について正しく記
載することは、実施した内容について系統的に振り返ること、ひいては産科医療の質の向上にもつな
がると考える。吸引娩出術実施の際には、実施した内容を振り返って分析・評価できるよう、記録す
べき内容を認識し、適応、要約および実施した内容等の必要な項目のすべてを記録することが必要で
ある。
さらに、1)分析対象事例の概況で述べたように、急速遂娩の適応では胎児機能不全が63.3%、生
うち、臍帯動脈血ガス分析値pH7.0未満が40.0%で最も割合が高いことから、分析対象事例におい
ては、主に胎児機能不全により吸引娩出術が実施され、出生直後の児の状態が重篤な傾向にあると考
えられたため、児が低酸素状態に陥っており早期の娩出が必要な緊急度の高い状況で吸引娩出術が実
施された事例が多く存在する可能性がある。このような緊急時に備え、日頃から医療スタッフ間でコ
ミュニケーションを図り分娩に係る役割分担を行い、必要事項の記録を習慣化することで、緊急時に
も混乱を避け、円滑に対応できると考える。
(3)脳性麻痺発症の原因に関する分析
原因分析報告書において脳性麻痺発症の原因として記載された頭部画像所見の分類および産科的事
象をみたところ、頭部画像所見の分類では低酸素性虚血性脳症が79.6%であり、最も割合が高かっ
た。産科的事象についてみると、産科的事象の記載ありは87.5%であった。産科的事象は臍帯血流
障害(臍帯脱出以外)が57.1%であり、最も割合が高かった。
さらに、吸引娩出術実施に関する指摘あり事例と吸引娩出術実施に関する指摘なし事例において、
脳性麻痺発症の原因として記載された頭部画像所見の分類および産科的事象に違いがあるか確認する
ため、吸引娩出術実施に関する指摘あり事例44件、吸引娩出術実施に関する指摘なし事例196件そ
れぞれについて原因分析報告書に記載された脳性麻痺発症の原因を集計した。その結果、頭部画像所
見の分類では、いずれの事例においても低酸素性虚血性脳症の割合が高かった。低酸素性虚血性脳症
の産科的事象をみると、産科的事象の記載ありのうちその他には吸引娩出術が含まれており、吸引娩
出術実施に関する指摘あり事例ではその他のうち50.0%、吸引娩出術実施に関する指摘なし事例で
はその他のうち13.7%であった。なお、吸引娩出術が脳性麻痺発症の原因として記載されたすべて
の事例は、吸引娩出術は複数ある原因のうちの一つとして記載されており、さまざまな関与のレベル
が含まれている(
「~の可能性がある」

「解明することが極めて困難な事例であるが、~の可能性を
否定できない」等)


19

第3章

後1分のアプガースコアでは0 ~ 3点が68.8%、臍帯動脈血ガス分析実施の有無における実施ありの