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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (89 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
(5) 伝染性膿痂疹
非水疱性膿痂疹に対する外用療法と内服療法の効果を比較した報告では、明確な
治療効果の差は認められておらず、また外用薬の種類による有意な差も認められて
いない 108。感染が皮下に及ぶ場合、多発する場合、顔面にある場合、発熱を伴う場
合等は内服抗菌薬の投与を検討する。
局在した痂皮性膿痂疹にはフシジン酸ナトリウム 1 日 2 回の塗布による局所療法
が推奨される。
範囲が広い場合、セファレキシン 50~100 mg/kg/日(例 20 mg/kg/回 1 日 3 回内
服投与)、5 日間程度投与する。MRSA 感染症に対しては ST 合剤(適応[外])の投
与を行う。MRSA で感受性がある場合、クリンダマイシンも選択肢になる。
(6) 蜂窩織炎
蜂窩織炎に対する抗菌薬治療において、経口投与と静脈内投与の臨床的治療成功
率に有意差はなく、治療期間に関しても短期間(5~7 日)と長期間(7 日以上)と
の間に明確な差は認められていない 109。また、セファレキシン単独療法と、セファ
レキシン+トリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP-SMX)併用療法を比較
したランダム化比較試験では、CA-MRSA(市中感染型 MRSA)を追加カバーするこ
とによる治療成功率の向上は示されなかった 110。
5 か所以上の範囲が広い場合は、セファレキシン 50~100 mg/kg/日(例 20 mg/kg/
回 1 日 3 回内服投与)、5 日間程度投与する 111。3~4 日で改善しない場合には、
MRSA を考慮し、ST 合剤の投与(適応[外])を検討する。MRSA で感受性がある
場合、クリンダマイシンも選択肢になる。
(7) 癤・皮下膿瘍
皮下膿瘍を伴う病変の治療の基本は切開排膿であるが、抗菌薬を併用することで
治療失敗のリスクが 16.1%から 7.7%へと有意に低下することが報告されている 112。
切開排膿を行い、培養を提出する。セファレキシン 50~100 mg/kg/日を 1 日 3~4
回、5 日間程度投与する。3~4 日で改善しない場合には、MRSA を考慮し、ST 合剤
の投与(適応[外])を検討する。MRSA で感受性がある場合、クリンダマイシンも
選択肢になる。
ST 合剤(経口)の国内添付文書上の適応症に皮膚軟部組織感染症は含まれておら
ず、適応菌種に黄色ブドウ球菌や A 群 β 溶血性レンサ球菌は含まれていない。また、
ST 合剤は低出生体重児や新生児においてビリルビン血症の発症リスクがあるため投
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第四版
医科・外来編
(5) 伝染性膿痂疹
非水疱性膿痂疹に対する外用療法と内服療法の効果を比較した報告では、明確な
治療効果の差は認められておらず、また外用薬の種類による有意な差も認められて
いない 108。感染が皮下に及ぶ場合、多発する場合、顔面にある場合、発熱を伴う場
合等は内服抗菌薬の投与を検討する。
局在した痂皮性膿痂疹にはフシジン酸ナトリウム 1 日 2 回の塗布による局所療法
が推奨される。
範囲が広い場合、セファレキシン 50~100 mg/kg/日(例 20 mg/kg/回 1 日 3 回内
服投与)、5 日間程度投与する。MRSA 感染症に対しては ST 合剤(適応[外])の投
与を行う。MRSA で感受性がある場合、クリンダマイシンも選択肢になる。
(6) 蜂窩織炎
蜂窩織炎に対する抗菌薬治療において、経口投与と静脈内投与の臨床的治療成功
率に有意差はなく、治療期間に関しても短期間(5~7 日)と長期間(7 日以上)と
の間に明確な差は認められていない 109。また、セファレキシン単独療法と、セファ
レキシン+トリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP-SMX)併用療法を比較
したランダム化比較試験では、CA-MRSA(市中感染型 MRSA)を追加カバーするこ
とによる治療成功率の向上は示されなかった 110。
5 か所以上の範囲が広い場合は、セファレキシン 50~100 mg/kg/日(例 20 mg/kg/
回 1 日 3 回内服投与)、5 日間程度投与する 111。3~4 日で改善しない場合には、
MRSA を考慮し、ST 合剤の投与(適応[外])を検討する。MRSA で感受性がある
場合、クリンダマイシンも選択肢になる。
(7) 癤・皮下膿瘍
皮下膿瘍を伴う病変の治療の基本は切開排膿であるが、抗菌薬を併用することで
治療失敗のリスクが 16.1%から 7.7%へと有意に低下することが報告されている 112。
切開排膿を行い、培養を提出する。セファレキシン 50~100 mg/kg/日を 1 日 3~4
回、5 日間程度投与する。3~4 日で改善しない場合には、MRSA を考慮し、ST 合剤
の投与(適応[外])を検討する。MRSA で感受性がある場合、クリンダマイシンも
選択肢になる。
ST 合剤(経口)の国内添付文書上の適応症に皮膚軟部組織感染症は含まれておら
ず、適応菌種に黄色ブドウ球菌や A 群 β 溶血性レンサ球菌は含まれていない。また、
ST 合剤は低出生体重児や新生児においてビリルビン血症の発症リスクがあるため投
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