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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (74 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・外来編

(5) 急性細気管支炎
 急性細気管支炎は、2 歳未満の小児において鼻汁、鼻閉等に引き続き、咳、
呼気性喘鳴や努力呼吸を呈するウイルス感染症である。
 診断は臨床診断であり、急性細気管支炎の診断をつける目的での検査は一般
的に必要ない。
 状態を評価するためにバイタルサインや酸素飽和度の測定を行い、呼吸状態
を評価する。また、合併症の有無を見わけることが重要である。
 呼吸・全身状態に応じた全身管理が重要である。水分バランスに注意し、適
宜補液を行う。上気道の分泌過多がある場合は生理食塩水を用いた鼻腔吸引
を行う。
 経過中に病状が進行する可能性や中耳炎や細菌性副鼻腔炎等の合併症をきた
す可能性があり、状態の見極めが重要である。
【抗菌薬に関する推奨】
 急性細気管支炎に対して抗菌薬を投与しないことを推奨する。

(i) 急性細気管支炎とは
乳幼児における急性細気管支炎はウイルスによる下気道感染症で、細気管支上皮
の炎症と浮腫や粘液産生による閉塞性病変を特徴とし、呼吸障害をきたす疾患であ
る。一般的に、2 歳未満の小児において鼻汁、鼻閉等の上気道炎症状に続いて、下気
道感染を伴い咳、呼気性喘鳴や努力呼吸を呈する状態を指す。発熱の有無は問わな
い。

(ii) 急性細気管支炎の疫学
原因微生物として RS ウイルスが最も重要である。2 歳までに 9 割以上の小児が
RS ウイルスに感染するとされ、初回感染者の 4 割は下気道感染症をきたすとされる。
その他ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザ 3 型、ボカウイルス等もあ
る。
細気管支炎は乳児における入院の原因として最も多く、乳児期早期あるいは基礎
疾患のある患者が罹患した場合は呼吸障害をきたすリスクは高い。ハイリスク児へ
のモノクローナル抗体、妊婦への RSV ワクチンによる予防がある。

(iii) 診断と鑑別
診断は臨床診断であり、血液検査、胸部 X 線画像、迅速抗原検査は一般的に必要
ない 61。状態を評価するためにバイタルサインや酸素飽和度の測定を行い、呼吸状
態を評価し合併症の有無を見わけることが重要である 69。
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