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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (41 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
検査の結果、原因微生物がサルモネラ属菌と判明した場合であっても、非チフス
性サルモネラ属菌による腸炎に対する抗菌薬治療は、基礎疾患のない成人において、
下痢や発熱等の有症状期間を短縮させず、かえって保菌状態を長引かせることが報
告されている 110。このことから、本手引きでは、健常者における軽症のサルモネラ
腸炎に対しては、抗菌薬を投与しないことを推奨する。
なお、サルモネラ腸炎の重症化の可能性が高く、抗菌薬投与を考慮すべき症例と
しては、以下が示されている 111。
3 か月未満の小児又は 65 歳以上の高齢者
ステロイド及び免疫抑制剤投与中の患者
炎症性腸疾患患者
血液透析患者
ヘモグロビン異常症(鎌状赤血球症等)
腹部大動脈瘤がある患者
心臓人工弁置換術後の患者
なお、JAID/JSC の指針では、サルモネラ腸炎で抗菌薬投与が必要な場合には、第
一選択薬の処方としてレボフロキサシン 3~7 日間 経口投与、第二選択薬(フルオロ
キノロン低感受性株又はアレルギーがある場合)の処方としてセフトリアキソン点
滴静注 3~7 日間又はアジスロマイシン 3~7 日間 経口投与が推奨されている 112。
(セフトリアキソンとアジスロマイシンは添付文書上の適応菌種ではない)
(iii) カンピロバクター腸炎
健常者における軽症※のカンピロバクター腸炎に対しては、抗菌薬を投与しな
いことを推奨する。
※
軽症とは、日常生活に支障のない状態を指す。
検査の結果、原因微生物がカンピロバクターと判明した場合については、抗菌薬
投与群は偽薬群(プラセボ群)と比較して有症状期間を 1.32 日間(95%信頼区間
0.64~1.99 日間)短縮することが報告されている 113 が、大部分の症例が抗菌薬なし
で治癒し、また、近年、カンピロバクターの耐性化が進んでいることから、
JAID/JSC の指針でも、全身状態が重症である場合を除いて、抗菌薬の使用は推奨さ
れていない 112。このことから、本手引きでは、健常者における軽症のカンピロバク
ター腸炎に対しては、抗菌薬を投与しないことを推奨する。
なお、カンピロバクターに関しては、世界的にフルオロキノロン系抗菌薬に対す
る耐性化が進んでおり、JAID/JSC の指針では、全身状態が重症で抗菌薬を投与する
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第四版
医科・外来編
検査の結果、原因微生物がサルモネラ属菌と判明した場合であっても、非チフス
性サルモネラ属菌による腸炎に対する抗菌薬治療は、基礎疾患のない成人において、
下痢や発熱等の有症状期間を短縮させず、かえって保菌状態を長引かせることが報
告されている 110。このことから、本手引きでは、健常者における軽症のサルモネラ
腸炎に対しては、抗菌薬を投与しないことを推奨する。
なお、サルモネラ腸炎の重症化の可能性が高く、抗菌薬投与を考慮すべき症例と
しては、以下が示されている 111。
3 か月未満の小児又は 65 歳以上の高齢者
ステロイド及び免疫抑制剤投与中の患者
炎症性腸疾患患者
血液透析患者
ヘモグロビン異常症(鎌状赤血球症等)
腹部大動脈瘤がある患者
心臓人工弁置換術後の患者
なお、JAID/JSC の指針では、サルモネラ腸炎で抗菌薬投与が必要な場合には、第
一選択薬の処方としてレボフロキサシン 3~7 日間 経口投与、第二選択薬(フルオロ
キノロン低感受性株又はアレルギーがある場合)の処方としてセフトリアキソン点
滴静注 3~7 日間又はアジスロマイシン 3~7 日間 経口投与が推奨されている 112。
(セフトリアキソンとアジスロマイシンは添付文書上の適応菌種ではない)
(iii) カンピロバクター腸炎
健常者における軽症※のカンピロバクター腸炎に対しては、抗菌薬を投与しな
いことを推奨する。
※
軽症とは、日常生活に支障のない状態を指す。
検査の結果、原因微生物がカンピロバクターと判明した場合については、抗菌薬
投与群は偽薬群(プラセボ群)と比較して有症状期間を 1.32 日間(95%信頼区間
0.64~1.99 日間)短縮することが報告されている 113 が、大部分の症例が抗菌薬なし
で治癒し、また、近年、カンピロバクターの耐性化が進んでいることから、
JAID/JSC の指針でも、全身状態が重症である場合を除いて、抗菌薬の使用は推奨さ
れていない 112。このことから、本手引きでは、健常者における軽症のカンピロバク
ター腸炎に対しては、抗菌薬を投与しないことを推奨する。
なお、カンピロバクターに関しては、世界的にフルオロキノロン系抗菌薬に対す
る耐性化が進んでおり、JAID/JSC の指針では、全身状態が重症で抗菌薬を投与する
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