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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・外来編

急性気道感染症の原因微生物の約 9 割はライノウイルスやコロナウイルスといっ
たウイルスであることが報告されている 6,9。急性気道感染症において、細菌が関与
する症例はごく一部であり、急性咽頭炎における A 群 β 溶血性レンサ球菌(Group A
β-hemolytic Streptococcus spp.:GAS)、急性気管支炎におけるマイコプラズマやク
ラミジアが代表的な原因微生物であることが報告されている 6,9。
これらの急性気道感染症の原因微生物であるウイルスに、慢性心疾患や慢性肺疾
患がある高齢者が罹患した場合には、ウイルス性気道感染症であっても呼吸困難を
伴いやすく、入院が必要になることも稀ではないことが示唆されている 10,11。また、
高齢(65 歳以上)であることはその他基礎疾患と比べて強い重症化のリスク因子で
あることが報告されている 12。
なお、乳幼児における急性気道感染症は、訴えや所見を正確に評価することが難
しく、また、特殊な病型としてクループ症候群や細気管支炎等が含まれるため、成
人と同様に分類することは難しく、さらに、発熱を認めた場合には菌血症や尿路感
染症等に対する配慮が必要と指摘されていること 13 から、本手引きでは、小児の急
性気道感染症に係る記載に関しては、学童期以降の小児を対象とする。
学童期以降の小児における急性気道感染症の疫学は成人に類する 14,15 が、感冒後
の二次性細菌性感染症やマイコプラズマ肺炎の危険性 16,17、GAS による感染症の所
見 18、小児特有の薬剤における危険性 19 等に配慮が必要と指摘されている。

急性気道感染症
急性鼻副鼻腔炎

急性咽頭炎

感冒

急性気管支炎

「風邪」として受診される病態

図 1.

本手引きで扱う急性気道感染症の概念と区分注5

注5

「急性気道感染症」内の 4 つの語句の定義としては、Ann Intern Med. 2016;164:425-34.における Acute
Bronchitis、Pharyngitis、Acute Rhinosinusitis、Common Cold の定義を準用した。

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