よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (75 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・外来編

重要な鑑別疾患(レッドフラッグ)
鑑別診断として肺炎、気管支喘息、気道異物の他に、乳幼児において呼吸障害を
きたす多種多様な疾患が該当する。本手引きの対象外の年齢ではあるが、新生児期
(生後 28 日以内)の RS ウイルス感染症では、臨床的に上気道炎のみであっても経
過中に無呼吸を呈することがあり、入院の上で観察・加療を考慮すべきである。乳
幼児では鼻汁、咳を初発症状として、感染後 3~6 日頃に喘鳴を特徴とする症状の悪
化を認めることが多い。特に乳児期早期、未熟児、先天性心疾患、慢性肺疾患、免
疫不全症では呼吸障害が強く入院を要することも少なくないため、多呼吸、努力呼
吸、低酸素血症等重症化のサインに注意し必要があれば二次医療機関への紹介を検
討する。

弄汁

咳嗽

喘鳴

発熱

日数

1 日目

2 日目

3 日目

4 日目

5 日目

6 日目

7 日目

図 7.

急性細気管支炎の自然経過

8 日目

9 日目 10 日目

(iv) 治療方法
有効な治療薬はなく、呼吸・全身状態に応じた全身管理が重要である 70。脱水に
注意し、適宜補液を行うことが重要である。上気道の分泌過多がある場合は鼻腔吸
引を行うことも推奨されている 71。経過中に病状が進行する可能性や合併症をきた
す可能性があり、リスクアセスメントや状態の見極めが重要である。

(v) 抗菌薬治療
急性細気管支炎に対して抗菌薬は不要である。多数の論文に基づいた系統的レビ
ューより抗菌薬の有効性は否定されており 72、国内外の診療ガイドラインのコンセ
ンサスでもある 38,55,69。ただし、細菌性肺炎や中耳炎の合併をきたすことがあるので、
熱が遷延する場合や、軽快傾向にあった患者が再増悪した場合には注意を要する 73。
中耳炎の合併率は 30%~60%と報告されている 74,75。
75