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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (78 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
痢である、発熱がない(ないし微熱)、激しい腹痛がない、家族・周囲集団に同様の
症状がある、といった症状、徴候はウイルス性胃腸炎らしい症候と言える 82。一方、
発熱、渋り腹や血便の存在は細菌性腸炎を疑わせる。血便の存在は、腸管出血性大
腸菌感染症等の細菌性腸炎の他、腸重積、メッケル憩室、上部消化管潰瘍等鑑別疾
患が多様である 82。特に年少児における血便を呈する疾患の多くは重症で急変の可
能性があり、原則的には入院して精査加療が必要になる 83。
迅速抗原検査(ロタウイルス、ノロウイルス、腸管アデノウイルス)は、いずれ
が陽性であっても治療、対処法に違いはなく、小児外来診療において、一般的に検
査する意義はない。例外的に入院や集団保育において、感染管理意識させるためや、
稀に高熱を呈するロタウイルス、ノロウイルス性胃腸炎もあるために、確実に診断
する必要がある場合に適応となる 84。
便培養検査を急ぐケースは少なく、検査の適応となるのは、細菌性腸炎が疑われ
る症例で、激しい腹痛や血便を呈する児、腸管出血性大腸菌感染症から溶血性尿毒
症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome:HUS)が疑われる児、免疫不全児である。
重要な鑑別疾患(レッドフラッグ)
嘔吐の鑑別として重要な疾患は以下である。
表 6.
小児の嘔吐の鑑別疾患
所見
疾患
急性腹症を示唆する症状・徴候を認める
腸重積、虫垂炎、精巣捻転、絞扼性イレウス等
頭蓋内圧上昇症を示唆する症状・徴候を
認める
髄膜炎、頭蓋内出血
その他
敗血症(トキシックショック症候群含む)、
糖尿病性ケトアシドーシス、尿路感染症
これらはすべて時間単位で悪化する疾患であるため、早急に高次医療機関への転送を検討する。
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第四版
医科・外来編
痢である、発熱がない(ないし微熱)、激しい腹痛がない、家族・周囲集団に同様の
症状がある、といった症状、徴候はウイルス性胃腸炎らしい症候と言える 82。一方、
発熱、渋り腹や血便の存在は細菌性腸炎を疑わせる。血便の存在は、腸管出血性大
腸菌感染症等の細菌性腸炎の他、腸重積、メッケル憩室、上部消化管潰瘍等鑑別疾
患が多様である 82。特に年少児における血便を呈する疾患の多くは重症で急変の可
能性があり、原則的には入院して精査加療が必要になる 83。
迅速抗原検査(ロタウイルス、ノロウイルス、腸管アデノウイルス)は、いずれ
が陽性であっても治療、対処法に違いはなく、小児外来診療において、一般的に検
査する意義はない。例外的に入院や集団保育において、感染管理意識させるためや、
稀に高熱を呈するロタウイルス、ノロウイルス性胃腸炎もあるために、確実に診断
する必要がある場合に適応となる 84。
便培養検査を急ぐケースは少なく、検査の適応となるのは、細菌性腸炎が疑われ
る症例で、激しい腹痛や血便を呈する児、腸管出血性大腸菌感染症から溶血性尿毒
症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome:HUS)が疑われる児、免疫不全児である。
重要な鑑別疾患(レッドフラッグ)
嘔吐の鑑別として重要な疾患は以下である。
表 6.
小児の嘔吐の鑑別疾患
所見
疾患
急性腹症を示唆する症状・徴候を認める
腸重積、虫垂炎、精巣捻転、絞扼性イレウス等
頭蓋内圧上昇症を示唆する症状・徴候を
認める
髄膜炎、頭蓋内出血
その他
敗血症(トキシックショック症候群含む)、
糖尿病性ケトアシドーシス、尿路感染症
これらはすべて時間単位で悪化する疾患であるため、早急に高次医療機関への転送を検討する。
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