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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (83 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
基づいた以下 3 点の基準が掲げられている。①中等度~高度の鼓膜膨隆、あるいは
急性外耳道炎によらない耳漏が認められる場合は急性中耳炎と診断する。②鼓膜の
軽度膨隆と強い鼓膜発赤とともに急性(48 時間以内)に発症した耳痛(耳を触る、
引っ張る、擦る)がある場合は急性中耳炎と診断する。③中耳腔液体貯留がない鼓
膜発赤は急性中耳炎と診断すべきでない。総合すると、中耳炎の最も重要な所見は、
鼓膜の膨隆である。鼓膜発赤は、発熱や啼泣のみでも認めることがある。
乳幼児は耳痛を正確に表現できないため、発熱と不機嫌だけが訴えとなる可能性
や、発熱のない中耳炎が 40%あることが挙げられ 94-97、鼓膜所見が重要視される。
一方で、耳痛や発熱不機嫌の鑑別として、他の局所感染や全身性の重症細菌感染症
を見極める必要性がある。口腔内病変等でも耳痛の原因となることがある。耳垢が
あり除去できず鼓膜の評価が困難な場合は、耳鼻咽喉科医への紹介等を検討する。
表 7.
耳痛の鑑別
耳痛で鑑別すべき疾患
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
表 8.
中耳炎
鼓膜炎
外耳道炎
外耳道異物
流行性耳下腺炎(ムンプス)
耳介前、耳介後部リンパ節炎
う歯、歯肉炎
8) 髄膜炎
9) 化膿性唾液腺炎
10) 帯状疱疹
11) 乳様突起炎
12) 外傷
13) 蜂窩織炎
耳痛・中耳炎の診療中に注意すべき所見(レッドフラッグ)と
検討すべき事項
所
見
検討事項及び鑑別すべき疾患
抗菌薬を投与せず経過観察して 2~3 日で
局所・全身所見ともに改善しない
中耳炎として抗菌薬の投与を検討する
他の感染巣の有無を見極め、診断を再検討する
抗菌薬治療を開始して 2~3 日で局所・全
身所見ともに改善しない
他の感染巣の有無を見極め、診断を再検討する
外科的ドレナージ(鼓膜切開)の適応を見極める
耐性菌を意識した抗菌薬の変更を検討する
耳介後部の発赤・腫脹と圧痛、耳介聳立
乳様突起炎
項部硬直、意識障害、けいれん、
「not doing well」
髄膜炎
下顎角周囲の腫脹、疼痛、唾液腺開口部の
発赤
化膿性唾液腺炎、流行性耳下腺炎
83
第四版
医科・外来編
基づいた以下 3 点の基準が掲げられている。①中等度~高度の鼓膜膨隆、あるいは
急性外耳道炎によらない耳漏が認められる場合は急性中耳炎と診断する。②鼓膜の
軽度膨隆と強い鼓膜発赤とともに急性(48 時間以内)に発症した耳痛(耳を触る、
引っ張る、擦る)がある場合は急性中耳炎と診断する。③中耳腔液体貯留がない鼓
膜発赤は急性中耳炎と診断すべきでない。総合すると、中耳炎の最も重要な所見は、
鼓膜の膨隆である。鼓膜発赤は、発熱や啼泣のみでも認めることがある。
乳幼児は耳痛を正確に表現できないため、発熱と不機嫌だけが訴えとなる可能性
や、発熱のない中耳炎が 40%あることが挙げられ 94-97、鼓膜所見が重要視される。
一方で、耳痛や発熱不機嫌の鑑別として、他の局所感染や全身性の重症細菌感染症
を見極める必要性がある。口腔内病変等でも耳痛の原因となることがある。耳垢が
あり除去できず鼓膜の評価が困難な場合は、耳鼻咽喉科医への紹介等を検討する。
表 7.
耳痛の鑑別
耳痛で鑑別すべき疾患
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
表 8.
中耳炎
鼓膜炎
外耳道炎
外耳道異物
流行性耳下腺炎(ムンプス)
耳介前、耳介後部リンパ節炎
う歯、歯肉炎
8) 髄膜炎
9) 化膿性唾液腺炎
10) 帯状疱疹
11) 乳様突起炎
12) 外傷
13) 蜂窩織炎
耳痛・中耳炎の診療中に注意すべき所見(レッドフラッグ)と
検討すべき事項
所
見
検討事項及び鑑別すべき疾患
抗菌薬を投与せず経過観察して 2~3 日で
局所・全身所見ともに改善しない
中耳炎として抗菌薬の投与を検討する
他の感染巣の有無を見極め、診断を再検討する
抗菌薬治療を開始して 2~3 日で局所・全
身所見ともに改善しない
他の感染巣の有無を見極め、診断を再検討する
外科的ドレナージ(鼓膜切開)の適応を見極める
耐性菌を意識した抗菌薬の変更を検討する
耳介後部の発赤・腫脹と圧痛、耳介聳立
乳様突起炎
項部硬直、意識障害、けいれん、
「not doing well」
髄膜炎
下顎角周囲の腫脹、疼痛、唾液腺開口部の
発赤
化膿性唾液腺炎、流行性耳下腺炎
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