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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (66 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・外来編

ドライン 2022 では、GAS 咽頭炎にはアモキシシリンが第一選択抗菌薬として推奨
されている 38。
GAS 咽頭炎に対する抗菌薬投与量と投与間隔



小児呼吸器感染症診療ガイドライン 2022 ではアモキシシリンの小児投与量は 30
~50 mg/kg/日・分 2~3 とある 38,39。
GAS 咽頭炎に対する抗菌薬治療期間



GAS 咽頭炎に対するペニシリン系抗菌薬での治療期間は 10 日間を推奨する。
2012 年のコクランレビューによると、小児の GAS 咽頭炎に対する抗菌薬として、
ペニシリン系抗菌薬 10 日間と、ペニシリン系抗菌薬以外の抗菌薬 4~6 日の治療を
比較した検討では、短期治療群で症状消失は有意に早いものの再燃率は高かった。
また副作用はペニシリン系抗菌薬群の方が少なく、リウマチ熱・腎炎の合併率は有
意差がなかった 40。アモキシシリン 10 日間もしくはセファロスポリン系抗菌薬 5 日
間による GAS 咽頭炎後の除菌率、再発率を比較した後方視的コホート研究によると、
除菌率は有意にアモキシシリン治療群で高く(91.7%、セファロスポリン系抗菌薬
治療群で 82.0%、p=0.01)、再発率に差はなく、ペニシリン系抗菌薬の使用が優先さ
れる 41。
GAS 咽頭炎に対する抗菌薬の代替薬



重症ペニシリンアレルギー(アナフィラキシーショック等)がある場合はクリン
ダマイシンが推奨される 37。他の代替薬の検討も行われているが、有効性において
ペニシリン系抗菌薬を明らかに上回ることはない 42。
上記をまとめ、急性咽頭炎に対する抗菌薬治療について例示する。
 GAS を除く急性咽頭炎に対しては抗菌薬を投与しない
 GAS による急性咽頭炎と診断した場合、
【第一選択】
アモキシシリン

30~50 mg/kg/日(例 15 mg/kg/回 1 日 3 回)
最大 1000 mg/日 10 日間経口投与

【重度のペニシリンアレルギーがある場合】
クリンダマイシン

15 mg/kg/日(5 mg/kg/回 1 日 3 回)10 日間経口投与

重症感染症

30 mg/kg/日(10 mg/kg/回 1 日 3 回)10 日間経口投与

クラリスロマイシン

15 mg/kg/日(7.5 mg/kg/回 1 日 2 回)
最大 400 mg/日 10 日間経口投与

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