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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・外来編

(3) 抗微生物薬の不適正使用とは
本手引きでは、抗微生物薬が適正使用されていない状況を「不必要使用」と「不
適切使用」に大別して記載する。「不必要使用」とは、抗微生物薬が必要でない病態
において抗微生物薬が使用されている状態を指す。また、「不適切使用」とは抗微生
物薬が投与されるべき病態であるが、その状況における抗微生物薬の選択、使用量、
使用期間が標準的な治療から逸脱した状態を指す。
以前に処方された抗菌薬を保存しておき、発熱等の際に患者が自らの判断で服用
することは、「不必要使用」又は「不適切使用」のいずれかになる可能性が考えられ
るが、このような抗微生物薬の使用は、感染症の診断を困難にするばかりではなく、
安全面(薬剤の副作用、必要量以上の投与等)からも問題がある。特殊な状況を除
いて、患者はこのような行為は慎み、医療従事者は上記のような使用をしないよう
に患者に伝えることが重要である。

(4) 抗菌薬の AWaRe 分類とは
AWaRe 分類は、世界保健機関(WHO)が提唱する抗菌薬の分類法で、抗菌薬の
適正使用を推進し、薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐことを目的としている。本分類
を用いることで、すべての抗菌薬の賢明な使用を促し、最も重要な抗菌薬の効果を
将来の世代のために守ることを目指しており、WHO は各国の総抗菌薬消費量のうち、
少なくとも 60%を Access グループの抗菌薬が占めるようにすることを目標にしてい
る 23。
AWaRe 分類では、抗菌薬を以下の 3 つのグループに分類する(表 2)22,23。

(i) Access(アクセス)
一般的な感染症に対して第一選択または第二選択として使用される抗菌薬の多く
が含まれる。これらは多くの患者に安全かつ効果的に使用でき、高品質、低コストで
利用できる他、耐性化したとしても他の選択肢があるので、耐性化した際の不利益が
少ないとされている。

(ii) Watch(ウォッチ)
耐性化した際に取り得る他の選択肢が少ないため、限られた疾患や適応にのみ使用
が求められる抗菌薬である。これらの薬剤は重要な医療上の用途がある一方で、不適
切な使用が臨床上重要な薬剤耐性菌の急速な拡大につながる可能性があるとされて
いる。

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