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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (55 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
好発年齢
0
臨床的特徴
1
2
3
4
5
感冒・鼻副鼻腔炎
鼻汁、咳嗽を同程度に認める
咽頭炎
咽頭に限局した所見、症状
クループ症候群
犬吠様咳嗽、吸気性喘鳴
気管支炎
咳嗽を主体とした症状
細気管支炎
鼻汁、咳嗽から呼気性喘鳴
図 1.
小児気道感染症の分類
(2) 小児における年齢と感染症の関係
小児では、年齢ごとに考慮すべき病態や合併症の頻度が異なることに留意する。
表 1.
小児の年齢区分と感染症の関係
年齢
感染症の関係
生後 3 か月未満の乳児
本手引きでは、生後 3 か月未満の乳児は対象としない。原則とし
て、小児診療の十分な経験を要する医師による診察が必要である。
生後 3 か月以降の乳幼児
生後 3 か月以降の乳幼児において、鼻汁、軽い咳等の上気道症状を
きたす疾患については感冒・鼻副鼻腔炎と広く定義する。小児に特
有な疾患として犬吠様咳嗽を特徴とするクループ症候群また、喉頭
炎、下気道症状をきたす疾患として喘鳴を主徴とする細気管支炎が
ある。これらの疾患は、原則としてウイルス性疾患であり、抗菌薬
投与は不要であるが 2,3、鑑別となる重症細菌感染症を除外する必
要があり、ウイルス性疾患の有無に関わらず中耳炎、潜在性菌血症
や尿路感染症について考慮する必要がある。同時に、抗菌薬の適応
病態として、幼児であっても A 群 β 溶連菌感染症、百日咳やマイ
コプラズマ肺炎に注意が必要である。
学童期以降の小児
学童期以降の小児においては、症状や身体所見から成人と同様の疾
患定義に基づいて感冒、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭炎、急性気管支
炎を診断することが可能である(手引き成人学童期編参照)
。同時
に、抗菌薬の適応病態として、A 群 β 溶連菌感染症、百日咳やマイ
コプラズマ肺炎に注意が必要である。
(3) 小児の急性気道感染症の鑑別
本手引きの対象となる感冒・鼻副鼻腔炎、咽頭炎、クループ症候群、気管支炎、
細気管支炎は急性気道感染症の大多数を占め、原則自然軽快するが、重症例を鑑別
することが診療の本質となる(図 2)。重症患者を見逃さないための客観的な指標と
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第四版
医科・外来編
好発年齢
0
臨床的特徴
1
2
3
4
5
感冒・鼻副鼻腔炎
鼻汁、咳嗽を同程度に認める
咽頭炎
咽頭に限局した所見、症状
クループ症候群
犬吠様咳嗽、吸気性喘鳴
気管支炎
咳嗽を主体とした症状
細気管支炎
鼻汁、咳嗽から呼気性喘鳴
図 1.
小児気道感染症の分類
(2) 小児における年齢と感染症の関係
小児では、年齢ごとに考慮すべき病態や合併症の頻度が異なることに留意する。
表 1.
小児の年齢区分と感染症の関係
年齢
感染症の関係
生後 3 か月未満の乳児
本手引きでは、生後 3 か月未満の乳児は対象としない。原則とし
て、小児診療の十分な経験を要する医師による診察が必要である。
生後 3 か月以降の乳幼児
生後 3 か月以降の乳幼児において、鼻汁、軽い咳等の上気道症状を
きたす疾患については感冒・鼻副鼻腔炎と広く定義する。小児に特
有な疾患として犬吠様咳嗽を特徴とするクループ症候群また、喉頭
炎、下気道症状をきたす疾患として喘鳴を主徴とする細気管支炎が
ある。これらの疾患は、原則としてウイルス性疾患であり、抗菌薬
投与は不要であるが 2,3、鑑別となる重症細菌感染症を除外する必
要があり、ウイルス性疾患の有無に関わらず中耳炎、潜在性菌血症
や尿路感染症について考慮する必要がある。同時に、抗菌薬の適応
病態として、幼児であっても A 群 β 溶連菌感染症、百日咳やマイ
コプラズマ肺炎に注意が必要である。
学童期以降の小児
学童期以降の小児においては、症状や身体所見から成人と同様の疾
患定義に基づいて感冒、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭炎、急性気管支
炎を診断することが可能である(手引き成人学童期編参照)
。同時
に、抗菌薬の適応病態として、A 群 β 溶連菌感染症、百日咳やマイ
コプラズマ肺炎に注意が必要である。
(3) 小児の急性気道感染症の鑑別
本手引きの対象となる感冒・鼻副鼻腔炎、咽頭炎、クループ症候群、気管支炎、
細気管支炎は急性気道感染症の大多数を占め、原則自然軽快するが、重症例を鑑別
することが診療の本質となる(図 2)。重症患者を見逃さないための客観的な指標と
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