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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (31 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
ー・ピロリ感染を除く感染症に対して、成人では、「アモキシシリン水和物として、
通常 1 回 250 mg(力価)を 1 日 3~4 回経口投与する。なお、年齢、症状により適
宜増減する。」とされている。
このようなことから、本手引きでは、成人に関して、表 3 に示す中等症又は重症
の急性鼻副鼻腔炎に対してのみ、抗菌薬投与を検討することを推奨することとし、
その際には、アモキシシリンを第一選択薬として 5~7 日間経口投与することとする。
JAID/JSC の指針では、重症例の第二選択薬としてフルオロキノロン系抗菌薬が選択
肢として挙げられている 56。
小児の用法・用量については、添付文書では「アモキシシリン水和物として、通
常 1 日 20~40 mg(力価)/kg を 3~4 回に分割経口投与する。なお、年齢、症状に
より適宜増減するが、1 日量として最大 90 mg(力価)/kg を超えないこと。」と記載
されている。また、各学会の指針では、急性鼻副鼻腔炎に対して抗菌薬を用いる場
合、アモキシシリンが第一選択薬として推奨されている 49,68,66。
このようなことから、本手引きでは、小児の急性鼻副鼻腔炎に対して、表 4 に示
す遷延性又は重症の場合には、抗菌薬投与を検討することを推奨することとし、そ
の際には、アモキシシリンを第一選択薬として 7~10 日間経口投与することとする。
(iii) 急性咽頭炎
迅速抗原検査又は培養検査で A 群 β 溶血性レンサ球菌(GAS)が検出されて
いない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出された急性咽頭炎に対して抗菌薬を
投与する場合には、以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する。
(成人・小児における基本)アモキシシリン 10 日間経口投与
急性咽頭炎に関しては、ACP/CDC 及び IDSA の指針では、急性咽頭炎の多くはウ
イルスによって引き起こされる病態であることから、迅速抗原検査又は培養検査で
A 群 β 溶血性レンサ球菌(GAS)が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌
薬投与は推奨しないとされている 17,19。なおフソバクテリウム属菌等の嫌気性菌、C
群又は G 群 β 溶血性レンサ球菌の関与する急性咽頭炎に対して抗菌薬を投与すべき
か否かについては一致した見解がない注9とされている 54,56。
これらのことから、本手引きでは、迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出され
ていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
注9
C 群又は G 群 β 溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症(疑いを含む)についてはこの限り
ではないとされている。
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第四版
医科・外来編
ー・ピロリ感染を除く感染症に対して、成人では、「アモキシシリン水和物として、
通常 1 回 250 mg(力価)を 1 日 3~4 回経口投与する。なお、年齢、症状により適
宜増減する。」とされている。
このようなことから、本手引きでは、成人に関して、表 3 に示す中等症又は重症
の急性鼻副鼻腔炎に対してのみ、抗菌薬投与を検討することを推奨することとし、
その際には、アモキシシリンを第一選択薬として 5~7 日間経口投与することとする。
JAID/JSC の指針では、重症例の第二選択薬としてフルオロキノロン系抗菌薬が選択
肢として挙げられている 56。
小児の用法・用量については、添付文書では「アモキシシリン水和物として、通
常 1 日 20~40 mg(力価)/kg を 3~4 回に分割経口投与する。なお、年齢、症状に
より適宜増減するが、1 日量として最大 90 mg(力価)/kg を超えないこと。」と記載
されている。また、各学会の指針では、急性鼻副鼻腔炎に対して抗菌薬を用いる場
合、アモキシシリンが第一選択薬として推奨されている 49,68,66。
このようなことから、本手引きでは、小児の急性鼻副鼻腔炎に対して、表 4 に示
す遷延性又は重症の場合には、抗菌薬投与を検討することを推奨することとし、そ
の際には、アモキシシリンを第一選択薬として 7~10 日間経口投与することとする。
(iii) 急性咽頭炎
迅速抗原検査又は培養検査で A 群 β 溶血性レンサ球菌(GAS)が検出されて
いない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出された急性咽頭炎に対して抗菌薬を
投与する場合には、以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する。
(成人・小児における基本)アモキシシリン 10 日間経口投与
急性咽頭炎に関しては、ACP/CDC 及び IDSA の指針では、急性咽頭炎の多くはウ
イルスによって引き起こされる病態であることから、迅速抗原検査又は培養検査で
A 群 β 溶血性レンサ球菌(GAS)が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌
薬投与は推奨しないとされている 17,19。なおフソバクテリウム属菌等の嫌気性菌、C
群又は G 群 β 溶血性レンサ球菌の関与する急性咽頭炎に対して抗菌薬を投与すべき
か否かについては一致した見解がない注9とされている 54,56。
これらのことから、本手引きでは、迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出され
ていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
注9
C 群又は G 群 β 溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症(疑いを含む)についてはこの限り
ではないとされている。
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