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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (80 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

(i)

第四版

医科・外来編

初期治療

 細菌性腸炎による強い症状があり抗菌薬治療を考慮する場合
 生の鶏肉喫食や集団発生等の病歴、便のグラム染色よりカンピロバクター腸炎を
疑う場合
クラリスロマイシン

15 mg/kg/日(7.5 mg/kg/回 1 日 2 回)3~5 日間経口投与

アジスロマイシン

10 mg/kg/日(10 mg/kg/回 1 日 1 回)3 日間経口投与

 カンピロバクター以外の細菌による感染性腸炎が強く示唆され、菌血症等重症化
のリスクの高い場合は、国内で保険適用のある薬剤で、有効性に関する明確なエ
ビデンスのあるものはなく、日本感染症学会・日本化学療法学会のガイドライン
(JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2019‐腸管感染症‐)等を参照。

(ii)

確定治療

 カンピロバクター腸炎
自然治癒が望めるため抗菌薬は必須ではない。
高熱、強い腹痛、血便等重症例に抗菌薬投与を考慮する。
クラリスロマイシン

15 mg/kg/日(7.5 mg/kg/回 1 日 2 回)3~5 日間経口投与

アジスロマイシン

10 mg/kg/日(10 mg/kg/回 1 日 1 回)3 日間経口投与

 非チフス性サルモネラ腸炎
抗菌薬により排菌期間が長くなるため、無症状キャリア、軽症患者には投与し
ない。ハイリスク症例(年少児;特に生後 3 か月以下、免疫抑制状態、炎症性腸
疾患)は治療対象になる。重症であるもの、合併症が出現しているものは入院
加療が必要である。この際菌血症を合併することが多いので、血液培養を採取
する。
非チフス性サルモネラ腸炎による感染性腸炎が強く示唆され、菌血症等重症化
のリスクの高い場合は、国内で保険適用のある薬剤で、有効性に関する明確な
エビデンスのあるものはなく、学会のガイドライン(JAID/JSC ガイドライン
2019‐腸管感染症‐、小児消化管感染症診療ガイドライン 2024)等を参照する。
 下痢原性大腸菌感染症
腸管出血性大腸菌(EHEC)を除いたその他の下痢原性大腸菌による腸炎は自然
治癒する傾向がある。EHEC の関与が疑われる腸炎では、本邦においては未だ抗
菌薬投与に関する統一した見解は出ていない。欧米のガイドラインでは抗菌薬
(多くは ST 合剤、β-ラクタム系抗菌薬)は溶血性尿毒症症候群(Hemolytic
Uremic Syndrome:HUS)発症のリスクが増すことから、否定的な見解が多い。

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