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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (13 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
(i) 外来患者
後述のように、患者数が多い急性気道感染症や急性下痢症では、外来診療におい
て抗菌薬をはじめとする抗微生物薬が必要な状況は限定されている。本手引きの各
論では、AMR 対策の中でも特に重要な抗菌薬の適正使用を推進するため、諸外国で
の現状及び日本において過剰な処方が指摘されている抗菌薬の種類 6,7 から総合的に
判断し、不必要な抗菌薬が処方されていることが多いと考えられる急性気道感染症
及び急性下痢症の患者に焦点を当てて記載している。本手引きでは、基礎疾患のな
い患者を対象とし、成人及び学童期以上の小児編、及び乳幼児編と分けて記載して
いる。
(ii) 入院患者
医療機関においては、感染症の治療のために入院する患者のみでなく、他疾患の
治療のための入院中に感染症を発症する場合や、感染症疾患の治療中に別の感染症
を併発する場合もある。その大半は医療関連感染症であり、医療デバイス挿入や手
術に関連したものは国内でもサーベイランスの対象になっている 13-15。医療関連感
染症は患者の在院日数の延長や合併症発生率・致命率の上昇、医療費の増加等への
影響が甚大でその予防は極めて重要である 16。しかし、本稿の内容は抗微生物薬適
正使用に焦点を絞っているため予防に関する記載は含まず、医療関連感染症を含む
「入院患者の感染症」に対する抗菌薬の適正使用の基本的な考え方について概説し、
その具体的な治療法に関して別冊に記した。
医療施設は、薬剤耐性菌の発生やその伝播に重要な役割を果たしており、医療施
設における感染症に対する抗菌薬の適正使用は AMR 対策において不可欠である 17。
なお、適正使用の考え方の原則に関しては小児にも適応可能な内容であるが、特に
具体的な処方例に関しては腎機能が正常な成人患者を対象にして記載されている。
このため、小児への使用や腎機能障害時の用法、用量調整に関しては、成書の参照
や専門医へのコンサルテーション等、個別のアプローチを行うことを推奨する。
本編の中における重症患者や免疫不全患者については、それぞれ臓器機能不全や
敗血症性ショックを呈しているもの 18、免疫抑制剤や化学療法の投与を受けている
ものや原発性・後天性免疫不全症候群等 19 を主な対象としているが、個々の患者に
おける経過や現状を加味して判断することが望ましい。
なお、抗微生物薬等の処方については、添付文書に記載された内容を確認の上、
適切に行うことが重要である。また、参考資料として、本手引きの推奨事項に沿っ
て診療を行う上で確認すべき項目をまとめた資料を掲載しているので適宜利用頂き
たい。
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第四版
医科・外来編
(i) 外来患者
後述のように、患者数が多い急性気道感染症や急性下痢症では、外来診療におい
て抗菌薬をはじめとする抗微生物薬が必要な状況は限定されている。本手引きの各
論では、AMR 対策の中でも特に重要な抗菌薬の適正使用を推進するため、諸外国で
の現状及び日本において過剰な処方が指摘されている抗菌薬の種類 6,7 から総合的に
判断し、不必要な抗菌薬が処方されていることが多いと考えられる急性気道感染症
及び急性下痢症の患者に焦点を当てて記載している。本手引きでは、基礎疾患のな
い患者を対象とし、成人及び学童期以上の小児編、及び乳幼児編と分けて記載して
いる。
(ii) 入院患者
医療機関においては、感染症の治療のために入院する患者のみでなく、他疾患の
治療のための入院中に感染症を発症する場合や、感染症疾患の治療中に別の感染症
を併発する場合もある。その大半は医療関連感染症であり、医療デバイス挿入や手
術に関連したものは国内でもサーベイランスの対象になっている 13-15。医療関連感
染症は患者の在院日数の延長や合併症発生率・致命率の上昇、医療費の増加等への
影響が甚大でその予防は極めて重要である 16。しかし、本稿の内容は抗微生物薬適
正使用に焦点を絞っているため予防に関する記載は含まず、医療関連感染症を含む
「入院患者の感染症」に対する抗菌薬の適正使用の基本的な考え方について概説し、
その具体的な治療法に関して別冊に記した。
医療施設は、薬剤耐性菌の発生やその伝播に重要な役割を果たしており、医療施
設における感染症に対する抗菌薬の適正使用は AMR 対策において不可欠である 17。
なお、適正使用の考え方の原則に関しては小児にも適応可能な内容であるが、特に
具体的な処方例に関しては腎機能が正常な成人患者を対象にして記載されている。
このため、小児への使用や腎機能障害時の用法、用量調整に関しては、成書の参照
や専門医へのコンサルテーション等、個別のアプローチを行うことを推奨する。
本編の中における重症患者や免疫不全患者については、それぞれ臓器機能不全や
敗血症性ショックを呈しているもの 18、免疫抑制剤や化学療法の投与を受けている
ものや原発性・後天性免疫不全症候群等 19 を主な対象としているが、個々の患者に
おける経過や現状を加味して判断することが望ましい。
なお、抗微生物薬等の処方については、添付文書に記載された内容を確認の上、
適切に行うことが重要である。また、参考資料として、本手引きの推奨事項に沿っ
て診療を行う上で確認すべき項目をまとめた資料を掲載しているので適宜利用頂き
たい。
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