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【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (58 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
医科・外来編
9. 小児の急性気道感染症各論
(1) 感冒・急性鼻副鼻腔炎
ウイルスによる急性の上気道感染症で、鼻汁、鼻閉が主体である。発熱、筋
肉痛、頭痛、咳、咽頭痛、嗄声、不機嫌、睡眠障害、食欲不振、嘔吐、下痢
等をきたすこともある 9。
副鼻腔炎を合併することも多いため、感冒・急性鼻副鼻腔炎をあわせ診療す
る 9,10。
食欲不振、飲水不良等による脱水症状に気をつけ、経口補液を勧める(急性
下痢症の項目を参照)
【抗菌薬に関する推奨】
感冒・急性副鼻腔炎に対して、抗菌薬投与を投与しないことを推奨する。ま
た、抗菌薬の予防的投与を行わないことを推奨する。
初期診断が感冒・急性副鼻腔炎であっても、呼吸状態等が増悪する例、湿性
咳嗽が 10 日以上続く例、軽快後に再増悪する例については、抗菌薬の適応と
なるような化膿性副鼻腔炎、細菌性肺炎、化膿性中耳炎等を鑑別する。気道
系や中耳炎であれば、初期治療はアモキシシリン投与を考慮する。非定型肺
炎が考えられる場合は、必要があればマクロライド系抗菌薬を投与する。
(i) 感冒とは
小児における感冒では、咳、咽頭痛といった気道症状に加え、発熱、嗄声、頭痛、
筋肉痛、不機嫌、睡眠障害、食欲不振、嘔吐、下痢等多様な症状をきたすこともあ
る 9。また、乳幼児では急性鼻副鼻腔炎も合併していることも多いため、感冒と急性
鼻副鼻腔炎との明確な区別は難しく、臨床的にはこれらを区別する意義は少ない。
(ii) 感冒の疫学
乳幼児を中心に小児は年平均 6~8 回感冒に罹患するが年齢とともに罹患は減少す
る 1,9。感冒については、年間を通して罹患するが、主に冬の前後の時期に多い。集
団保育児では、自宅でみている乳幼児より罹患しやすい。感染経路は、接触及び飛
沫感染であり 11、感染してから 1~3 日の潜伏期間で症状が出る場合が多い 11。
(iii) 診断と鑑別
鼻汁、軽度の咳等の急性の上気道中心の症状で疑い、身体所見をもって臨床診断
する。感冒症状のある者との接触歴も重要である 3。
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第四版
医科・外来編
9. 小児の急性気道感染症各論
(1) 感冒・急性鼻副鼻腔炎
ウイルスによる急性の上気道感染症で、鼻汁、鼻閉が主体である。発熱、筋
肉痛、頭痛、咳、咽頭痛、嗄声、不機嫌、睡眠障害、食欲不振、嘔吐、下痢
等をきたすこともある 9。
副鼻腔炎を合併することも多いため、感冒・急性鼻副鼻腔炎をあわせ診療す
る 9,10。
食欲不振、飲水不良等による脱水症状に気をつけ、経口補液を勧める(急性
下痢症の項目を参照)
【抗菌薬に関する推奨】
感冒・急性副鼻腔炎に対して、抗菌薬投与を投与しないことを推奨する。ま
た、抗菌薬の予防的投与を行わないことを推奨する。
初期診断が感冒・急性副鼻腔炎であっても、呼吸状態等が増悪する例、湿性
咳嗽が 10 日以上続く例、軽快後に再増悪する例については、抗菌薬の適応と
なるような化膿性副鼻腔炎、細菌性肺炎、化膿性中耳炎等を鑑別する。気道
系や中耳炎であれば、初期治療はアモキシシリン投与を考慮する。非定型肺
炎が考えられる場合は、必要があればマクロライド系抗菌薬を投与する。
(i) 感冒とは
小児における感冒では、咳、咽頭痛といった気道症状に加え、発熱、嗄声、頭痛、
筋肉痛、不機嫌、睡眠障害、食欲不振、嘔吐、下痢等多様な症状をきたすこともあ
る 9。また、乳幼児では急性鼻副鼻腔炎も合併していることも多いため、感冒と急性
鼻副鼻腔炎との明確な区別は難しく、臨床的にはこれらを区別する意義は少ない。
(ii) 感冒の疫学
乳幼児を中心に小児は年平均 6~8 回感冒に罹患するが年齢とともに罹患は減少す
る 1,9。感冒については、年間を通して罹患するが、主に冬の前後の時期に多い。集
団保育児では、自宅でみている乳幼児より罹患しやすい。感染経路は、接触及び飛
沫感染であり 11、感染してから 1~3 日の潜伏期間で症状が出る場合が多い 11。
(iii) 診断と鑑別
鼻汁、軽度の咳等の急性の上気道中心の症状で疑い、身体所見をもって臨床診断
する。感冒症状のある者との接触歴も重要である 3。
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