よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【参考資料2-1】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)医科・外来編 (68 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

抗微生物薬適正使用の手引き

第四版

医科・外来編

(3) クループ症候群
 主にウイルス感染による喉頭の狭窄に伴う吸気性喘鳴(stridor)、甲高い咳
(犬吠様咳嗽)、嗄声等を生じる疾患 43。
 先行する鼻炎、咽頭炎等を伴い、夜間に急に増悪することが多く、数日から
1 週間程度で自然治癒する 43。
 切迫した気道閉塞をきたす急性喉頭蓋炎、細菌性気管炎、喉頭異物、アレル
ギー性喉頭浮腫等の除外診断が重要である 3。
 安静時に吸気性喘鳴がある児に対し、アドレナリン吸入、デキサメサゾン投
与の適応がある。
【抗菌薬に関する推奨】
 クループ症候群に対しては抗菌薬を投与しないことを推奨する。

(i) クループ症候群とは
急性のウイルス感染症による喉頭の炎症によっておこる疾患で、急性の喉頭狭窄
により特徴的な犬吠様咳嗽や吸気性喘鳴等の症状や所見を呈する。

(ii) クループ症候群の疫学
歴史的には、ジフテリア菌がクループ症候群の原因であったが予防接種の普及に
よってみられなくなった 44。現在の主な原因となる病原体はパラインフルエンザを
主体としたウイルスであり、3 か月から 5 歳くらいに多く、ウイルスが流行する秋か
ら冬にかけて多い

43,45。SARS-CoV-2(Severe

Acute Respiratory Syndrome

Coronavirus-2)が要因となる場合もある。
※毎年、乳幼児の 2%~6%に生じ、うち 5%で繰り返し罹患する 45。感染経路は、接
触及び飛沫感染である。なお、重要な鑑別診断である急性喉頭蓋炎は、その主な原
因が H. influenzae b 型であり、ヒブワクチンの普及で激減した 3。

(iii) 診断と鑑別
クループ症候群の診断は症状及び身体所見による臨床診断である。先行する鼻汁、
咳、発熱等の症状が 12~48 時間前にあることが多い 45。咳が特徴的で甲高い咳(犬
吠様咳嗽:barking cough)を伴う。嗄声も多く、進行すると安静時にも吸気性喘鳴
を聴取する 3。

68