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提案書21(4001頁~4203頁) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

733101
婦人科子宮頸部細胞診機械判定加算
日本臨床細胞学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

34病理診断科
25産婦人科・産科

関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
婦人科子宮頸部細胞診自動判定支援加算
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する


令和4年度

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

日本臨床細胞学会の「細胞診精度管理ガイドライン」では、細胞診陰性と判定された症例の10%以上に対して有資格の細胞
検査士が再スクリーニングを行って精度管理することを推奨している。婦人科子宮頸部細胞診において、管理医療機器であ
る形態認識技術を用いた機械判定システムを併用することで、安全かつ効率的に精度管理を行うことができる。細胞診の信
頼性を保証する医療技術として保険収載する必要がある。

文字数: 192
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

子宮頸部細胞診異常

「細胞診精度管理ガイドライン」の推奨に反して、人員の制限、働き方改革の影響等で、約70%の検体はダブルチェックさ
れていないのが我が国の実情である。実際に陽性細胞の見落としによって医療訴訟に発展するなど、精度管理上大きな問題
となっている。米国では子宮頸部の液状化検体細胞診(LBC)検体の自動診断装置がFDAに承認されて久しく、細胞診断の効
率化と精度向上に大きく寄与していると考えられる。我が国でも業務の効率化と精度向上のために、画像診断領域と同様に
病理診断領域でも、形態認識技術を用いた機械判定システムの構築・普及が急務であり、その安全性・信頼性を保証する方
法として保険収載する必要がある。

文字数: 295
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

子宮頸癌およびその前癌病変を含む子宮頸部細胞診標本のうち、細胞検査士による1次スクリーニング(鏡検)陰性の患
者。保険診療の対象は、有症状の患者に対する検査のほか、子宮頸がん検診で要精密検査あるいは要経過観察となり保険医
療機関を紹介受診した患者を含む。
なお、保険医療機関における子宮頸がん検診、人間ドックの際に提出された検体については対象外とする。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

管理医療機器として承認されている細胞診の機械判定システムを用い、その機械判定システムのトレーニングを受け、かつ
適切な安全管理を実施できる有資格の細胞検査士が、婦人科子宮頸部細胞診検体の判定のダブルチェック(見落としの防
止)のために使用する。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

N

番号

004-1

医療技術名

細胞診 (婦人科材料等によるもの)

既存の治療法・検査法等の内容

「細胞診精度管理ガイドライン」に基づき、細胞診陰性と判定された症例全体の10%以上を目標に、別の有資格の細胞検査
士のマニュアルよる再スクリーニングの実施を推奨しているが、人員の制限等の影響から、その実施率は約半数程度とされ
ている。また、再スクリーニングを行うことで細胞診の信頼性が増し、見落としが防止され、国民に寄与するところ大と考
えられるが、それに対する保険上の加算は現在認められていない。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

現在、米国FDAに認可されている婦人科子宮頸部細胞診の機械判定システムには、ベクトン・ディッキンソン アンド カン
パニー社(以下、BD)のBD FocalPoint GS imaging system(参考文献1)、ホロジック社のThinPrep Imaging System(参
考文献2, 4)があり、我が国でもいずれも管理医療機器(BDフォーカルポイント:製造販売届出番号07B1X00003000108、
ThinPrepインテグレートイメージャ:製造販売届出番号13B1X10179001003)として承認されている。海外では多数の研究
(参考文献4)によって、精度管理の有用性と偽陰性率の低下が証明されている。
日本国内においても、有資格の細胞検査士によってNILMと判定とされた12,000スライド(直接塗抹標本9,000スライド、LBC
3,000スライド)を任意で抽出し、BD フォーカルポイントで機械判定する研究(参考文献5)が行われた。機械判定でリス
クが高いとランク付けされた上位15%の症例を有資格の細胞検査士が再スクリーニングし、異常とみなされた症例は細胞診
専門医により評価した。その結果、この機械判定システムを併用することで、1.19%の偽陰性が発見された。
このように、細胞検査士がマニュアルでNILMと判定した子宮頸部標本を再度BDフォーカルポイントで解析し、ハイリスクと
してランク付けされた標本を効率よく再確認することで、偽陰性(見逃し)を未然に防ぐことができる。

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