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提案書21(4001頁~4203頁) (195 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分

その他(右欄に記載する。)

番号

該当なし

医療技術名

該当なし

既存の治療法・検査法等の内容

該当なし

「I003-2:認知療法・認知行動療法」は保険収載されているが、不眠障害
に対する適用がないため、現在行われている医療技術は「なし」となる。

本品は、不眠障害治療を目的とした認知行動療法を行うためのプログラム医療機器である。情報通信技術を利用した認知行動療法
を提供することで、日本の医療現場の人員不足を補い、薬物依存度を減らした不眠障害治療を提供可能とすることが本品の開発コ
ンセプトであり、新規性が高い。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

(本品の二重盲検RCTの検証的治験の結果)
主要評価項目である8週間の治療介入前後のAIS(※)変化量の平均値は、シャム使用群で-3.3に対して本品使用群で-6.7
(p=0.00000024)であり、シャム群に対する本品使用群の優越性が確認された。本品治療後もAISの平均値は6.7から5.9と改善が
維持されており、治療終了2週間後という睡眠薬休薬時において離脱症状や反跳性不眠等が生じ易いとされる期間に、治療効果は
維持された。また、不眠障害の追加治療の要否を判断する基準として設定したAISが6点未満の患者の割合は、シャム使用群で
10.2%に対して本品使用群で37.9%(p<0.001)であり、医師による全般評価として設定したCGI-Iが改善と評価された患者はシャム
使用群で50.0%に対して本品使用群で83.9%(p<0.001)であった。加えて、当該治験は二重盲検下で実施されたため、本品の実施
内容について医療従事者は患者に対し説明や問診ができない環境下にあり、その中で有効性が実証されている。検証的治験の実施
医療機関は睡眠専門施設と非専門施設が含まれており、AIS変化量について実施医療機関によって有効性が異なる傾向は認められ
なかった。すなわち、医療機関の専門性に依らず、効果が得られている。
※ AIS(アテネ不眠尺度)とは、WHOが中心となって作成した入眠潜時・中途覚醒・早朝覚醒・総睡眠時間・睡眠の質及び睡眠後
の回復感・日中の心身機能・日中の眠気を総合的に評価する尺度であり、日本語版の信頼性・妥当性の検証も実施されている。
(参考:対面の認知行動療法)
本品のAIS変化量は-6.7であったが、他試験での対面の認知行動療法によるAIS変化量-6.5と、同程度であることが示唆されてい
る。本品治療後の維持効果は、他試験のメタアナリシスの結果から、対面の認知行動療法6ヶ月後または12ヶ月後においても効果
が維持されるとの報告や、睡眠薬の減量効果が維持されるとの報告と同様の傾向が確認された。従って、本品は対面の認知行動療
法と同程度の短期的及び長期的な有効性が期待できることが示唆された。
(参考:デジタル認知行動療法:海外で先行している不眠障害治療用アプリ)
不眠障害治療用アプリ(デジタル認知行動療法)の有効性を検証するためのRCTに関するメタアナリシスでは、不眠障害治療用ア
プリ(デジタル認知行動療法)は不眠障害を有意に改善し、改善効果は1年間持続することや、海外で第一選択の対面の認知行動
療法と非劣性であることが示されている。加えて、ネットワークメタアナリシスでは、不眠障害治療用アプリ(デジタル認知行動
療法)が対面の認知行動療法及び処方睡眠薬よりも不眠症状を改善し、有効な治療であることが示されており、本品のような不眠
障害治療用アプリ(デジタル認知行動療法)の提供が欧米諸国では進んでいる。

・検証的治験の結果(審議結果報告書(サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ)、Watanabe et al. Sleep. 2023 Mar 9;46(3))
・対面の認知行動療法を8〜10週間実施した臨床研究において、治療終了時のAISのベースラインからの変化量は-6.5であった。
(Gałuszko-Wegielnik M,et al. Psychiatr Danub. 2012 Sep;24(1):51-55.)
・他試験のメタアナリシスの結果から、不眠障害に対する認知行動療法により、睡眠薬の減量効果が維持される。(Morin CM,et
al. Am J Psychiatry. 2004 Feb;161(2):332-342.)
・不眠障害治療用アプリ(デジタル認知行動療法)の有効性を検証するためのRCTに関するメタアナリシスでは、不眠障害治療用
アプリ(デジタル認知行動療法)は不眠障害を有意に改善し、改善効果は1年間持続する。海外で第一選択の対面の認知行動療法
と非劣性である。(Hui Ling Soh,et al. Sleep Medicine 75 (2020) 315-325)
・ネットワークメタアナリシスでは、不眠障害治療用アプリ(デジタル認知行動療法)が対面の認知行動療法及び処方睡眠薬より
も不眠症状を改善し、有効な治療である。(Felicia Forma,et al. Curr Med Res Opin. 2022 Oct;38(10):1727-1738.)

1a

ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

本品の治療成績を踏まえた適正使用指針の「7.適正使用基準」に、本品の
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 対象患者は不眠障害の診断を受けた不眠症状が軽症から中等症で、薬物療
る。)
法と同時に状況が許す限りできるだけ早期から活用可能である旨、記載さ
れている。

年間対象患者数(人)

94,162人

国内年間実施回数(回)

99,416回

令和2年度の厚生労働省研究班の最新の大規模調査にて確認された睡眠薬1ヶ月処方率2.59%から不眠障害と診断され治療が必要な患者数は
280万人と推定される。総務省の令和3年通信利用動向調査にてスマートフォン保有率や、不眠障害に対する認知行動療法をスマートフォン
アプリをにて実施するという新規性の高い治療方法であるため医療機関へのアプリ治療ニーズ調査、薬物療法では治らないと感じている患
者の割合の調査等から、不眠障害と診断され治療が必要な患者のうち、本品使用患者率は約3.36%と試算される。従って、以下の計算式によ
り、本品の年間使用患者数は94,162人と推定される。

※患者数及び実施回数の推定根拠等

(計算式)
本品使用患者数=不眠障害と診断され治療が必要な患者数280万人×3.36%
本品使用回数は概ね1人1回であるが、本品治験結果より初回治療後に治療継続が必要と判断された患者の80%が治療延長(2回目処方)され
るとすると、初回治療94,162人の5.58%の5,254人が2回目処方されることになり、年間使用回数は99,416回(94,162回+5,254回)と試算さ
れる。

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