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提案書21(4001頁~4203頁) (200 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険医療材料等専門組織において医療技術評価分科会にて審議することが適当とされたもの)
整理番号

※事務処理用

審議される医療技術名
保険適用を希望する企業名

大腸内視鏡検査における大腸上皮性病変の検出支援技術
サイバネットシステム株式会社

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

04消化器内科
13外科

関連する診療科(2つまで)
18消化器外科

提案される医療技術の概要
(200字以内)

大腸癌の前癌病変である腫瘍性ポリープを大腸内視鏡検査で早期に検出・切除することは、大腸癌や致死的大領癌の抑制に
有効である。しかしながら、既存の大腸内視鏡検査はポリープの見逃しが起こりうるため、大腸癌を抑制する手段として十
分でない。本技術は、大腸内視鏡映像内に映るポリープを検出・強調表示するソフトウェアを併用して検査を行うことで、
腫瘍性ポリープの検出率向上や早期切除を可能とする。

文字数: 190
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

腫瘍性ポリープ、大腸癌

大腸癌の前癌病変である腫瘍性ポリープは、内視鏡切除により大腸癌死亡を53-88%抑制可能とされている[1]。しかし、大
腸内視鏡検査においてはポリープの見逃しが一定程度不可避であり、国内外ではその見逃し率が約22%と報告されている
[2,3]。ポリープの見逃しが減り、1検査あたりの腫瘍検出率(ADR)が1%向上すれば、大腸癌罹患を3%、致死的大腸癌罹患
を5%減少させることが可能となる[4]。実際、本技術を用いた臨床試験では、専門医で9.6%のADR向上が確認され[5]、大腸
癌罹患数及び死亡者数を削減可能な見込みを得、本技術による患者メリットが十分にあると考えられたため。

文字数: 286

【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

便潜血反応陽性者や、腹痛・血便などの有症状者

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

大腸内視鏡検査においてルーチンで使用される。具体的には内視鏡挿入後のポリープ探索時に使用し、病変検出時には音を
発し、内視鏡画面上に検出した病変の領域を四角形で囲うことで医師の検出を支援する。使用頻度は大腸内視鏡検査の頻度
と同等である。また、本技術の使用により大腸内視鏡検査に関する期間への影響はない。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

313

医療技術名

大腸内視鏡検査

既存の治療法・検査法等の内容

大腸内視鏡検査は便潜血反応陽性者や、腹痛・血便などの有症状者に対して、精査目的に保険診療の範囲内で実施されるも
のである。医師は患者の肛門より大腸内視鏡を挿入し、内視鏡先端のレンズから取得される画像をモニターで確認しながら
盲腸まで内視鏡の先端を到達させる。盲腸に先端が到達したのちに、医師はポリープや癌などの病変を発見するため詳細に
大腸の粘膜を観察する。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

本技術を併用して検査を行うことで、既存の検査と比べ有意に腫瘍検出率が向上する。検出された腫瘍は原則切除されるた
め、将来の癌化を防ぐことができ、大腸癌罹患数・死亡数の減少が期待される。

本技術を併用して検査を行う群と、併用しない既存手順での検査群に分けた計2000症例について、30名の医師(専門医21
名、非専門医9名)により評価を行った結果、本技術併用群のADRは26.4%となり、非併用群のADR19.9%に比べ6.5%の向上が
確認された。副次評価項目とした専門医、非専門医でのADRの比較結果は、専門医では本品併用群31.2%、非併用群21.6%、
非専門医では本品併用群21.1%、非併用群18.8%であり、専門医において有意にADRが向上することが確認された[5]。

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

2a
ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

年間対象患者数(人)

275万人/年(10年ピーク時)

国内年間実施回数(回)

275万回/年(10年ピーク時)

※患者数及び実施回数の推定根拠等

日本消化器内視鏡学会としてAI医療機器の管理指針「人工知能技
術を活用した内視鏡画像診断支援ソフトウェアの臨床使用に関す
る管理指針」を公開している
(https://www.jges.net/medical/content/ai-software)

本技術は大腸内視鏡検査にルーチンで使用され「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除」が実施された場合に保険点数が加算さ
れることを想定する。年間に「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除」が実施される患者数は第6回NDBオープンデータ
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221_00010.html)よりのべ約131万件であった。
第5回NDBオープンデータ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221_00008.html)では約121万人
であったことから、2018年から2019年にかけて1年で8.6%増加している。この比率で線形に増加していくと仮定し10年度目
の推定件数、及び推定適用患者数は概ね共に275万件と見積もられる。

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