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提案書21(4001頁~4203頁) (180 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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研究結果

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

1. 評価者内信頼性
総合スコアに関してカッパ係数は0.964(95%信頼区間:0.954、0.972)であった。
2. 妥当性
① 構成概念妥当性:因子分析による結果、13項目はADL6項目、BPSD3項目及びCF4項目の3ドメインに分類された。
② 項目反応特性:13項目の項目反応特性曲線は、軽度ADから重度ADまでの判別が良好に可能であった。
③ 併存妥当性:総合スコアとMMSE、NPI-D (symptoms)、DAD, CDR-SB及びGlobal CDRの相関係数はそれぞれ、0.747、0.595、0.720、-0.840及び-0.828であった。さらに総合スコアとFAST及びHDS-Rとの相関係数はそれぞれ、-0.70及び
0.56であった(参考文献4)
④ 総合スコアによるGlobal CDR判別力(参考文献1):CDR0/0.5 である患者を正確に判定する確率は0.7であったが、それ
以外のGlobal CDRの判別における感度及び特異度は0.8以上であった。
3. 反応性
治療薬の変更をしなかった223例の12週間で評価スケールのスコア変動を評価したところ、ABC-DSのADLドメイン、ABC-DS総
合スコア、MMSE及びCDR-SBで統計学的に有意な変動を検出した(いずれもp<0.0001)。なお、スケールの質問時間はABC-DS
が平均約10分であるが、CDRは平均約27分を要した。
4.新規に開発した評価方法
ABC-DSの評価は上記の総合スコア以外に、スコアの3次元性を考慮した3次元法(TDD)がある(参考文献2)。これは、患者
のADL, BPSD及びCFを個別に評価するのではなく、「1人の患者の病態」として総合的に捉え、その病態の変化を評価するた
めに考案された(特許登録査定受領済)。しかし、TDDスコアはドメイン毎の平方和を求め、その平方根を計算するという
煩雑な計算が必要なため、日常診療ではなく、治験で利用されること想定している。
1b

ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の

改訂の見込み等を記載する。)

年間対象患者数(人)

96,000×0.05=4,800人

国内年間実施回数(回)

4,800×4=19,200回

※患者数及び実施回数の推定根拠等

社会医療診療行為別調査(平成29年)に記載されたアルツハイマー型認知症患者の入院数と外来患者数を合計すると、
96,000人である。ウェブアンケートでは、認知症診療に従事している医師(389人)の9.3%がABC-DSを使用していると回答
した(2年前、1年前の同アンケートではそれぞれ、1.1%、3.7%であったため、普及率は今後高まると推測される)。しか
し、回答バイアスの可能性を考慮し、ABC-DSによって評価されている患者数を少な目に見積もって全患者数の5%とした。治
療による変化などスコアの変動を定期的にモニターする必要があることから、年に4回程度の検査が実施される場合がある
と考え、実施回数は年間4回とした。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・認知症疾患診療ガイドライン(2017)では、評価スケールを用いて認知機能障害を評価する際には、評価の対象、目的、
環境などに応じて必要な検査を追加し、各患者の背景や状態を勘案して解釈することが望ましいとされている。
・ABC-DSの評価者(医師)は必ずしも認知症の専門医である必要はない。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

特になし
ABC-DSの測定は、医師または医師以外の職種(看護師、薬剤師、栄養士など)が行うことも可能であるが、当該測定結果に
基づく評価は、研修を修了した医師が行わなければならない。
特になし

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

なし

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし


妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い

関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

点数(1点10円)

80点

その根拠

類似技術の点数(NPI(80点)、長谷川式知能評価スケール(80点)、MMSE(80点))と比較して同等以上の精度と有用性
のある検査法であると考えられるため。尚、これらと同時に実施してもいずれか一つしか算定することはできない。

区分



番号

特になし

技術名

特になし

具体的な内容

特になし
減(-)

プラスマイナス

予想影響額

予想影響額(円)

37,440,000円

その根拠

以下の概要に示すシミュレーションによって費用対効果分析を実施し、(費用-効果)を予想影響額として示した。なお、
患者のQOLはEQ-5D-5Lによって評価し、効果はQuality Adjusted Life years(QALY)によって貨幣価値に換算した。
概要:
・予想される当該技術に係る年間医療費(費用:X):
800×4800×4=15,360,000円 (平均年4回ABC-DSを測定した場合の費用)
・当該技術の保険収載に伴い、増加すると期待される患者のQOL(効果:Y):
日常診療において、認知症患者の症状の経時的な変化を正確に評価することが難しいため,治療レジメンの変更をためらう
場合があり、漫然と同じ処方が繰り返される場合がある。しかし、医師は、信頼性・妥当性の高いABC-DSが動機となり、処
方を積極的に変更し、結果的に患者のQOLが向上することが予想される。そこで、参考文献2及び4の結果(データ)を用い
て、医師が患者の処方を変えた場合と変えなかった場合をシミュレーションして患者のQOLの変化の程度を検討した(参考
文献3)。なお、処方変更により薬剤費の平均値に有意な変動はないと仮定した。その結果、処方変更3か月後の評価で、患
者1人当たり平均0.002QALYの増加が推定された。1QALYの価値を550万円(1世帯当たり平均所得金額;平成28年国民生活
基礎調査)とした場合、患者1人当たりの効果は11,000円と換算される。このような適正な処方変更が年1回実施されると
仮定すると、Y=11000×4800= 52,800,000円であるので、予想影響額=X-Y=-37,440,000円となる。QOLの変化を1/2に見積
もっても18,720,000円となり、国民医療費の減少に寄与できる。

備考

特になし

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
特になし
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

3)調べていない

4180

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