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提案書21(4001頁~4203頁) (194 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険医療材料等専門組織において医療技術評価分科会にて審議することが適当とされたもの)
整理番号

※事務処理用

審議される医療技術名
保険適用を希望する企業名

プログラム医療機器を用いた不眠障害に対する認知行動療法
サスメド株式会社

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

21精神科
11心療内科

関連する診療科(2つまで)
01内科

提案される医療技術の概要
(200字以内)
文字数: 199
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)

本品は二重盲検RCTの検証的治験を実施し、有効性及び安全性を証明することで薬事承認を取得したプログラム医療機器である。
患者のモバイル端末にインストールし、プログラムされた自動チャットを通して患者情報を収集し、認知及び行動の歪みに対して
フィードバックすることで、認知行動療法を毎日実施し、9週間の不眠障害の治療を行う技術である。本品の適正使用指針は厚生
労働省の事業として、関連学会にて作成されている。
不眠障害
不眠障害は広く臨床現場で診られるcommon diseaseであり、安全性の高い治療選択肢が求められるが、現状は薬物治療に偏ってお
り漫然と睡眠薬が投与されることで薬物依存等の副作用が問題視されている。また、欧米豪韓などのガイドラインでは認知行動療
法が第一選択であり、本邦でも推奨されているが、十分な医療機関のリソースが確保できず、普及していないという課題がある。
本品は二重盲検RCTの検証的治験で、認知行動療法を提供することで高い有効性及び安全性を実証している。不眠障害治療の本質
的な解決には、専門医・非専門医に関わらず実行可能な治療として医療機関リソースに依らない本品の保険収載が不可欠である。

文字数: 298
【評価項目】

本品の適正使用指針は、厚生労働省の新医療機器使用要件等基準策定事業にて、日本睡眠学会、日本認知療法・認知行動療法学
会、日本プライマリ・ケア連合学会の三学会の協力の基に作成されている。対象患者は不眠障害の診断を受けた不眠症状が軽症か
ら中等症で、薬物療法と同時に状況が許す限りできるだけ早期から活用することが推奨されている。また、本品の施設基準は医師
が本品の適正使用や認知行動療法の研修を修了することと設定されている。
(1)対象患者の条件(以下の条件をすべて満たす患者であること)
1)不眠障害(不眠症)の診断を受けている患者
2)不眠症状が軽症から中等症であること
3)対面式CBT-Iが実施可能(注)であると施行医師が判断した患者
注:4.の「図1 本邦治療ガイドライン 4.治療アルゴリズム ⑥認知行動療法」の「薬物療法と同時に、状況が許す限り、で
きるだけ早期から心理的・行動的介入も活用することが推奨されている。代表的な介入方法が不眠症に対する認知行動療法であ
る。」に基づく。
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

(2)対象外患者の条件(以下の条件のいずれかを満たす患者は原則として対象外とする)
1)重症の不眠症に罹患している者
2)2種類以上の睡眠障害治療薬を服用している者
3)精神疾患に罹患している者
4)中等度以上の身体疾患に罹患している者
5)不眠症以外の睡眠・覚醒障害に罹患している者
6)交代勤務・夜勤に従事している者
7)その他、施行医師が不適当と判断した患者
(3)施行医師条件(以下の条件のいずれかを満たす医師であること)
1)日本睡眠学会、国立精神・神経医療研究センター、精神・神経科学振興財団が主催するCBT-I研修を修了した者
2)日本認知療法・認知行動療法学会、日本認知・行動療法学会が主催する認知行動療法に関するCBT研修を修了した者
3)本アプリの適正使用およびCBT-Iに関する研修を修了した者

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

本品はスマートフォンにインストールされ、不眠障害を有する患者に対して、認知行動療法を実施するために用いるソフトウェア
である。本品を用いて実施する認知行動療法は、「睡眠衛生指導」、「睡眠表(睡眠日誌)」「睡眠時間制限療法」、「刺激制御
療法」及び「認知療法」で構成され、本品のその他の機能として眠気検査等を有する。本品による治療は、7日間毎日の睡眠衛生
指導及び睡眠表の実施の後、8週間毎日の認知行動療法と、週1回の不眠状態の検査であるアテネ不眠尺度(AIS)及び目標就寝時
刻と目標起床時刻の設定を行う。本品での9週間の治療後は自動的に振り返り等の入力が不可となり、9週目以降でアプリを起動す
ると、治療期間が終了した旨が表示される。また、本品を使用するために就寝中にスマートフォンの使用が促されないよう、夜間
就寝時刻から起床時刻までは、本品への入力・確認を行うことができない仕様となっている。なお、患者が入力した情報は医療機
関で閲覧可能な管理システムのデータベースに保存される。
本品による9週間の治療頻度及び内容の詳細は、1週目の睡眠衛生指導はCBT-Iを適切に実施するための治療初期ステップとして、
日中の行動の振り返り、睡眠を促進または妨げる可能性のある生活要因(食事、運動、物質使用など)及び環境要因(光、騒音、
体温など)に関する一般的なガイドラインの教育を、チェック項目を用いて毎日行う。睡眠表の毎日の記録により日中の行動の振
り返りをするとともに、初期目標就寝時刻及び目標起床時刻の決定を行う。治療2-9週目は1週目の内容に加えて、毎日の振り返り
として睡眠時間・床上時間・睡眠効率などの算出結果に基づいて不眠を慢性化させる行動や思考を修正するための患者毎に至適化
したフィードバックを行う。さらに、睡眠時間制限療法、刺激制御療法及び認知療法を毎日実施することにより、タイムリーに行
動や思考の修正を促すことを実現する。

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