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【資料2-4】厚生労働省の令和8年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (65 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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がん、難病、認知症等の疾患レジストリ、ゲノム・コホート研究で得られた成果
や検体に関する情報をデジタル化した加工データ基盤の整備・利活用を促進し、ライ
フコースを俯瞰した疾患の発症・重症化予防、病態解明、診断、治療等に資する研究
開発を推進することで、ゲノム医療、個別化医療の実現を目指す。


他の研究事業(AMED 研究、他省庁研究事業)との関係
AMED の疾患領域に関連した基礎的な研究や診断法・医薬品等の開発は、難病の診断基
準の策定、診療ガイドラインの作成・改訂に反映させる。一方で、厚生労働科学研究に
おいて作成した診療ガイドラインの中でエビデンスレベルの低いクリニカルクエスチ
ョンに関する研究開発を AMED 研究において実施する。また厚生労働科学研究において
は、難病の治療法開発に向けて、AMED の病態解明研究やシーズ探索研究(ステップ 0)
につながり得る、診療で得られる検体や臨床情報を用いた病態解明に向けた基礎的研
究、情報収集等を行う。

Ⅲ 研究事業の評価
(1)必要性の
難病及び小児慢性特定疾病等の医療水準の向上、患者の QOL 向上のための
観点から
研究を推進する必要がある。具体的には、診断基準、重症度分類、医療の均
てん化に資する診療ガイドライン等の作成、評価及び改訂、学会や患者会等
と連携した様々な普及啓発活動、患者の療養生活環境整備や QOL 向上に資
する成果、適切な医療提供体制の構築等を強化する必要がある。また、引き
続き、新たな指定難病や小児慢性特定疾病の追加の検討を行う予定であるた
め、幅広く希少・難治性疾患に関する情報の収集を継続する必要がある。
難病のゲノム医療の推進のため、より早期の診断の実現に向けた遺伝学的検
査の実施体制の整備や遺伝子治療を含む全ゲノム情報等を活用した治療法
の開発の推進を目指し、創薬をはじめとした実臨床につながる研究開発が行
われるよう、AMED と連携した研究を実施する必要がある
(2)効率性の
研究対象を疾患別基盤研究分野、領域別基盤研究分野、横断的政策研究分
観点から
野に明確に分類することにより、内容の重複を回避し、効率的な研究の遂行
が図られている。また、関連する研究班では合同でガイドラインを作成する
など、連携を図っている。さらに、小児成人移行期医療を推進する観点から、
小児領域の研究者と成人領域の研究者の連携が図られている。加えて、AMED
の難治性疾患実用化研究班で得られた成果を、当事業の関連研究班で取りま
とめてガイドライン作成に活用する等の連携が行われている。このような連
携体制によって、効率的な事業運営が行われている。
(3)有効性の
各研究班は、関連学会と連携した全国的研究体制のもと、担当疾病につい
観点から
て、診断基準、診療ガイドライン、臨床調査個人票、難病情報センター掲載
資料等の作成や改訂を行うだけでなく、診療体制の中核を担い、また学会や
患者会と連携した普及啓発活動などを実践し、研究成果を医療水準の向上の
ために有効に活用できる仕組みを構築している。また得られた成果は、国会、
指定難病検討委員会、難病対策委員会、小慢専門委員会等で指摘された、地
域における支援体制の強化や移行期医療の充実などの課題への対応にも有
効に活用されることが期待される。
(4)総合評価
本研究事業を推進することによって、診断基準・診療ガイドライン等の作
成・改訂とともに、研究班を中心とした診療体制の構築、疫学研究、普及・
啓発、患者会との連携を行い、難病政策の策定・運用に資するための成果の
創出が期待できる。そしてそれらの成果を活用し、難病及び小児慢性特定疾
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