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【資料2-4】厚生労働省の令和8年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (122 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59644.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第145回 7/16)《厚生労働省》
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把握に努める必要がある。また、受検・受診・受療の促進、ネットワークシ
ステムを活用した地域の特性に応じた肝疾患診療連携体制、肝疾患患者の多
様な病態に対応可能でトータルケアに資する人材育成方法及びその活動の
質の向上、様々な生活の場における偏見・差別の解消に向けた普及啓発方法、
肝がん・重度肝硬変患者の QOL の向上、肝炎ウイルス感染の予防、地域の実
情に応じた肝炎対策均てん化促進の指標確立を推進する必要がある。さらに
各種施策の効果を的確に評価し施策の改善につなげるため、肝炎総合対策指
標の開発や医療経済効果の予測などが求められている。社会の多様化や地域
の実情に応じたよりきめ細やかな肝炎対策を行うため、先進的な視点を導入
した研究を推進していく必要がある。
(2)効率性の
研究課題は重複がないよう設定し、採択にあたっては事前評価委員会で効
観点から
率性も評価している。また、関連のある研究班の間でオブザーバーとして班
会議や研究成果発表会に参加するなどの連携を図っている。また、プログラ
ムオフィサーが班会議に参加し、進捗状況の把握、肝炎対策推進室への報告
を行っている。研究事業の有効性・効率性の向上のために、政策研究の企画
及び評価に関する研究班やプログラムオフィサーとの密な連携を取ってい
る。さらに、必要に応じて、肝炎研究推進戦略の見直しの提言を行うことを
視野に入れるなど、効率的に研究が行われている。
(3)有効性の
肝炎対策を総合的に推進するための行政課題に即した、医療体制・社会基
観点から
盤に必要かつ有効な研究が設定され、研究成果は肝炎対策推進協議会等で適
宜報告され、国の肝炎総合対策の推進に寄与し、広く国民の健康の保持増進
のために還元されることが期待される。肝疾患患者のトータルケアに資する
人材育成において、肝炎医療コーディネーターの養成やスキルアップ向上に
つながり、肝炎対策の推進に寄与することが期待される。また、地域医療ネ
ットワークを肝疾患診療に応用することで、地域がかかえる医療アクセス等
の様々な課題の解決につながり、今後はモデルケースの全国展開が期待され
る。さらに、肝炎ウイルス感染予防においては、ワクチンを含めた感染防御
に関する教育資材の開発を行っており、実用化が期待される。加えて、肝炎
に対する正しい知識の啓発について動画等のコンテンツで配信を行ってお
り、肝炎患者に対する偏見・差別の解消につながっている。
疫学・行政研究については、令和4年5月に策定された肝炎研究推進戦略
を踏まえ、行政研究および政策立案の基盤となる疫学研究を効果的に推進し
ている。
(4)総合評価
肝炎は国内最大級の感染症であり、肝炎を放置すると肝硬変や肝がんとい
った重篤な病態に進行する。本研究事業では、肝炎の克服に向けた地域ごと
の診療体制や社会基盤の整備等による肝炎医療の均てん化、偏見・差別の防
止等を目標に、肝炎に関する行政課題を解決するための研究を推進する必要
がある。当該目標を達成することは、社会が肝炎対策の重要性を認識すると
ともに、ウイルス性肝炎の elimination 並びに肝炎患者の健康寿命の延伸
の実現につながる。

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