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資料9 評価シート様式2(案)(令和4月2月28日暫定版) (49 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24115.html
出典情報 健康日本21(第二次)推進専門委員会(第17回 2/25)《厚生労働省》
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③ 脂質異常症の減少
〇 指標設定の背景
健康日本 21(第二次)では、脂質異常症の指標として総コレステロールと LDL コレステロールの
2つの指標が採用されている。
脂質異常症の指標は、諸外国ではスクリーニングやリスク評価には主に総コレステロールが用いられ
ている。総コレステロールは測定精度も良好で正確に測定でき、古くからある指標であるため、日本人
の長期的な脂質異常症の推移の評価に適している。また、総コレステロールは、LDL コレステロール、
HDL コレステロール、その他のコレステロールで構成されているが、通常、LDL コレステロールが最も多く
を占めるため LDL コレステロールの代用指標として使われてきた(一般的に総コレステロールが高い者
では LDL コレステロールも高い)。
もう1つの指標となっている LDL コレステロールは、国際的にはフリードワルド式で総コレステロール、
トリグリセリド、HDL コレステロールから計算式で求めるのが標準であり、その際のトリグリセライドは空腹
時の測定を要求される。一方、LDL コレステロールの直接測定法は日本で開発され、国内では広く用
いられているが、測定精度には国際的に疑義が提起された経緯があり、ほぼ解決をみたのは平成 29
(2017)年であったため、平成 28(2016)年までの LDL コレステロールの測定結果を見る際に
は注意が必要である。特定健診では、フリードワルド式と直接法のいずれを用いて LDL コレステロール
を測定してもよいことになっているが、現実にはほとんどの保険者が直接法を用いていると推測される。
上記の通り、健康日本 21(第二次)策定時にはいずれの指標も一長一短があるため、2つの
指標が目標値として設定されていた。なお、総コレステロールと LDL コレステロールの目標値の差が
80mg/dl であるのは、日本動脈硬化学会のガイドラインで総コレステロールと LDL コレステロールの一
般的な差がこの程度とされているためである。LDL コレステロールのカットオフ値も、動脈硬化性疾患予
防ガイドライン平成 29(2017)年版のスクリーニング基準の 140mg/dl(特定健診では受診勧
奨値とされている値)ではなく、低リスク者の管理目標値である 160mg/dl に設定されている。
〇 今回の評価
最終評価ではいずれの指標を用いても脂質異常症の代表的な指標である高コレステロール
血症者(総コレステロール 240 mg/dl 以上の者、LDL コレステロール 160mg/dl 以上の者)の
割合は、男女とも目標に達しておらず、横ばいもしくは悪化傾向であり、総コレステロール 240mg/dl
以上の割合は、女性でベースラインと比較してむしろ悪化傾向であった。
項目全体としては 4 つの指標の評価を総括し、「C 変わらない」と評価される。

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