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資料3-2 がん検診事業のあり方について(案) (146 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41159.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第42回 7/4)《厚生労働省》
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診として用いるには特異度があまりに低く、リスクありとされても胃がんが見つからない偽陽
性者が多数出てしまう恐れがあります。胃がんリスク評価を行った後に内視鏡検診を行う方法
が本当に有効かどうか(胃がん死亡率を下げるかどうか)、その科学的根拠はまだありません。
対策型検診では科学的根拠がないものは行うべきではありません。
Q16

ピロリ菌検査を任意型検診として行うことは可能ですか。

A16

市町村が公的資金を用いて行っているものは全て対策型検診に分類されます。住民検診でピロ
リ菌検査を行うことは不適切です。
ピロリ菌検査は、そもそもピロリ菌を調べること自体でがんを発見することはできませんし、対
策型検診として推奨されていませんので、実施することは不適切です。ピロリ菌検査を実施して
除菌治療を受けることで胃がんを予防できると言われていますが、無症候の胃炎患者に対する
除菌治療の胃がん予防効果は 34%ほどであり 1)、除菌をしても残り 2/3 は胃がんのリスクが
残ることになります。除菌をしても胃がんリスクは残ることから、ピロリ菌検査については慎重
に対応する必要があります。
1) Ford AC BMJ. 2014;348: g3174

Q17

胃内視鏡検査では早期がんも見つかりますが、胃部エックス線検査では早期がんは見つかりに
くいのではないでしょうか。

A17

胃部エックス線検査でも発見がんのうち約 8 割弱は早期がんであり(日本消化器がん検診学会
平成 27 年度全国集計調査)、内視鏡治療で切除可能ながんも発見されています。
胃部エックス線検査は検診としての有効性が科学的に証明された方法であり、決して胃部エッ
クス線検査の精度が劣るということではありません。

3.検診間隔について

Q18

乳がん検診や子宮頸がん検診では指針で隔年受診が推奨されていますが、運用面が難しい(2 年
毎に受診勧奨通知を出すことが難しい)との理由で、実際にはかなりの市町村が逐年検診をして
います。県としてどのように指導すれば良いですか。

A18

まず、検診の不利益(放射線被ばくや出血など)を最小化するために隔年検診を遵守徹底するよ
う指導をするべきです。また精度管理として、
(市区町村向けのチェックリストにもありますが)
個人毎の受診歴を記録した適切な受診台帳を作り、受診台帳を基に、その年の対象者を毎年抽出
することが重要です。
よくあるケースとして、検診対象を奇数年/偶数年生まれで設定しており、1 回を逃すと次の受
診機会が 4 年後になってしまう、ということがありますが、こういった不適切なケースが発生
しないよう、個人毎に受診歴を管理する必要があります。

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