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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (91 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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を指摘している。
アメリカでは、バイデン政権以降、トランプ前政権時に削減された
ODA 総額自体は増加傾向にある。他方、USAID(米国国際開発庁)は、
途上国支援をより包摂的・効率的にするため、2025 年までに USAID が
行う支援のうち 25%について、国内の仲介機関経由ではなく、実際に支
援を受ける国の機関が実施すること(支援の「現地化」
)を目指す旨を目
〔資料Ⅱ-4-6、7参照〕
標としている115。
このように、ODA の効果的な活用に当たっては、各国とも戦略的方向
性が明示されており、我が国においても優先順位付けの更なる明確化や
それに合わせた柔軟な体制の見直しが求められる。
(3)我が国 ODA の課題
この点、足もとの我が国 ODA の現状については、その「規模」、
「使途」、
「執行方法」について、それぞれ以下のような課題を指摘したい。
まず、「規模」の観点から我が国 ODA の現状を概観すると、令和4年
度(2022 年度)の我が国 ODA の対 GNI 比は 0.39%と、DAC(OECD
開発援助委員会)メンバー30 か国116全体(0.36%)を上回っており、諸
外国と比較しても、十分な量を確保していると言える。一方、財政状況を
見ると、我が国の政府債務残高対 GDP 比は世界でも最悪の水準(261%)
と突出しており、DAC メンバー平均(80.1%)と比べても3倍以上に達
している。このように、我が国の厳しい財政状況を踏まえると、物量に頼
ったインプットありきの ODA は正当化することができず、優先すべき分
〔資料
野や手法を示した上で、的を絞った戦略的な活用が求められる117。
Ⅱ-4-8参照〕
ちなみに、かねてから国際的には、ODA は対 GNI 比で 0.7%とすると
115

支援の「現地化」については、費用の効率化が図られるというメリットも指摘されている。
(出所:”PASSING THE BUCK: The Economics of Localizing International Assistance”
Share Trust and the Warande Advisory Centre (Courtenay Cabot Venton et al.)), 2022 年 11
月)
116 2022 年度時点の国数であり、EU(欧州連合)を除く。なお、2023 年7月にエストニアが
DAC メンバーに加わり、2023 年 11 月現在は 31 か国に EU を加えた 32 メンバー。
117 ODA の量について、我が国の国際的なプレゼンスを維持・強化する観点から、更なる予算拡
充が必要、との意見もあった。

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