よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (21 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

ることが特徴となっている。経済が潮目の変化を迎える中で、今後は、先
に述べた取組等により、イノベーション等を通じて生産性の向上につな
がるような分野に対する企業の投資を促し、民間主導の持続的経済成長
が実現するような環境を整えていくことが政府の重要な役割である。
〔資
料Ⅰ-2-13 参照〕
この 30 年間、我が国の政府支出対 GDP 比は諸外国と比べて顕著に増
加し、さらに令和2年度(2020 年度)以降は新型コロナへの対応から補
正予算の規模を著しく拡大させた。例えば新型コロナ対応前の5年間(平
成 27 年度(2015 年度)~令和元年度(2019 年度)
)の補正予算による
歳出追加額21は年平均で 3.1 兆円であったのに対し、令和2年度(2020 年
度)~令和4年度(2022 年度)の3年間の補正予算による歳出追加額は
年平均で 46.9 兆円と、15 倍超に急増している22。こうした対応の結果、
平成 26 年度(2014 年度)から令和5年度(2023 年度)にかけての 10 年
間で普通国債債務残高は 300 兆円近く増加し、令和5年度(2023 年度)
末には 1,068 兆円に達する見通しとなっている。
〔資料Ⅰ-2-14 参照〕
1980 年代以降、金利(普通国債の利率の加重平均値)は基本的には低
下してきたため、債務残高の増加にも関わらず利払費は総じて減少傾向
で推移してきたが、足もとではいわゆる「金利のある世界」が再び現実の
ものとなりつつある。
〔資料Ⅰ-2-15 参照〕
金利の上昇に伴い利払費が急増し、そのために国債を増発するような
こととなれば、まさに本末転倒であり、財政運営に対する市場の信認が更
に揺らぎ、国債発行に当たって追加のリスク・プレミアム、すなわち国債
金利の上乗せを求められることとなりかねない23, 24。そうなれば、財政運
21

補正予算による歳出追加額は、当初予算額と最終補正後予算額の差分。
なお、補正予算の膨張を抑制するとともに、財政資源配分における優先順位を明らかにする
観点から、中期財政計画を策定し、複数年にわたる財政の大枠を規定するルールとして一定の拘
束力を持たせることを検討すべきとの意見があった。
23 足もとの金利上昇は長期債・超長期債が中心であり、短期金利は依然として低位に止まってい
るが、仮に短期金利が上昇することとなれば、コロナ禍以前と比べて短期債のウェイトが高まっ
ている中、利払費の急増をもたらすこととなる。
24 例えば、
「令和5年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」(財務省(令和5年(2023 年)
1月))では、金利が1%上昇した場合の影響を機械的に試算すると、3年後には国債費が 3.6
兆円程度増加すると見込まれている。
22

- 9 -