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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (116 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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該年における主食用米の需給調整がうまくいかずに、需要に対して主食
用米の過剰な生産が発生して民間の在庫量が増加すると、下落する傾向
にある。
また、野菜価格安定対策140についても、毎年のように、特定の農産品で
一定程度の支払が発生している。一部の産地においては供給計画上の数
量が需要量を上回っている状況が複数年にかけて発生している状況にあ
り、需要に対して野菜の供給が過剰になっていることが一因であると考
えられる。
以上のように、需要に対して過剰な生産を行った結果、農産物の価格が
下落し、農業者の収入が減少し、収入保険をはじめ、ナラシ対策や野菜価
格安定対策の支払金額が増加している関係にあると考えられる。
セーフティネットは本来、市場における「需要に応じた生産」が適切に
機能した上で、それでもなお農業者が避けられないような自然災害等に
よる収入減少を補填することが原則であるが、足もとの状況を見ると必
ずしもそのような状況とはなっていない。今後、セーフティネットの在り
方を考えていく際には、こうした側面も踏まえて議論を進める必要があ
る。
〔資料Ⅱ-7-6参照〕
ウ)収入保険制度の現状と課題
令和元年(2019 年)に創設された収入保険制度は、農業者ごとの収入
全体を捉えて、全ての農作物を対象に、自然災害や価格低下等、農業者の
経営努力では避けられない要因による収入減少に対して9割を上限とし
て、
「保険方式」と「積立方式」の組合せによって補償される仕組みとな
っている。具体的には、保険方式については、加入者ごとに過去の保険金
の受取実績に応じて保険料率が改定されることになり、加入者のリスク
を保険料に反映する仕組み141が備わっている一方で、積立方式について
140

主要な野菜を対象として、卸売市場価格を基にした平均販売金額が保証基準額を下回った場
合に、その差額の9割を補填。
141 保険方式における保険料率は危険段階別(全 21 段階)に設定され、保険金の受領がない者
の危険段階区分は基本的に1段階下がり、逆に保険金の受領が多い者については、加入者ごとに
保険金の受取実績を基に損害率(保険金÷保険料)を計算し、該当する区分の保険料率を適用す
ることとなっている。なお、加入者の負担が極端に増加することのないよう、保険料が上昇する
場合にあっても、上昇幅は年最大3区分まででとどめる緩和的な措置がある。

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