よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (86 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

的なサプライチェーンにより構成される細分化された日本の防衛産業の
構造にも関係していると考えられる。今後の我が国の防衛産業の在り方
を見据えつつ、防衛産業の再編・集中化を通じた防衛生産・技術基盤の強
化や、防衛装備移転を通じた販路の拡大とスケールメリットによって、価
格低減等を展望した政策形成が必要である。
④ ライフサイクルコスト低減の取組の必要性
装備品の取得段階における調達価格の上昇に加えて、量産段階や運用
段階におけるコストの増加も大きな課題となっている。
防衛装備庁においては、装備品の構想・開発から廃棄に至るライフサイ
クルコスト(以下「LCC」という。)に基づき、それが一定の基準以上に
増加した場合には事業の見直しや中止を行う、プロジェクト管理を実施
している103。
しかしながら、プロジェクト管理の対象となっている装備品の LCC を
みると、本来スケールメリットが働くはずの量産段階の単価や、LCC が
安定的に推移するはずの運用時の維持経費が上昇しているケースが多く、
プロジェクト管理による LCC 削減の効果が十分に発揮されているとは
言い難い状況にある。
〔資料Ⅱ-3-12 参照〕
量産段階や運用段階において LCC が増大する原因は、装備品の構想、
研究開発、設計・仕様決定段階では、量産段階や運用段階における LCC
を十分に加味した開発・設計等が実効的に行われていないことが考えら
れる。したがって、開発等の段階からコストデータバンクも活用して LCC
を算出し、量産段階・運用段階までを見据えた開発等を行うことが不可欠
である。
防衛装備庁において LCC の上昇に伴って見直し基準に抵触した事例
は、これまで7例とわずかにとどまっている。さらに、アメリカの事例と
異なり、防衛装備庁において LCC を踏まえたプロジェクト管理に基づき
中止としたプロジェクトはない。これらの理由としては、①LCC の算定
上、調達数の変更、機能変更、物価・為替等によるコスト上昇については、
103

防衛力整備計画においても、「研究開発を含む装備品のライフサイクルを通じたプロジェクト
管理の強化等によるコストの削減に努め、費用対効果の向上を図る」とされている。

- 74 -