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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (20 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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歳出構造を平時に戻し18、財政を健全化していくことは当然のことである。
〔資料Ⅰ-2-11、12 参照〕
もちろん、物価高や供給力強化といった課題への対応は必要である。た
だし、マクロの需要と供給のギャップが解消しつつある中で単純な需要
喚起策を講じれば、人手不足も相まってインフレが加速するおそれが否
定できない。供給力強化の文脈であっても、財政措置を講ずれば短期的に
は同様のことが生じ得る。現在の経済情勢の下でそうした課題に対応し
ていくためには、真に必要で効果的な施策に的を絞って講じていくこと
が必要である。同時に、単に現状維持志向の政策を講じるのではなく、将
来を見据えた財政措置を制度改革や規制緩和とあわせて講じることによ
り、企業や個人の行動変容や産業の新陳代謝などを促し、民需主導の自律
的な経済成長を実現していくことが望ましい。
あわせて、かねてより指摘してきたことではあるが、財政支出に当たっ
ては、定量的な政策目標を明確にするとともに、その政策効果(アウトカ
ム)を厳しく問う EBPM(証拠に基づく政策形成)を徹底していくこと
が重要である。こうした取組を通じて PDCA サイクルを強化し19、財政
出動が経済成長をはじめとする政策目標の達成に当たって効果的なもの
となっているかどうかを不断に検証していくことが不可欠である20。その
上で、将来に向けてより有用な施策を実行していくために、有用であって
も効果が小さい既存の施策を恐れずに取り止めていくべきである。こう
したスクラップ・アンド・ビルドの考え方を徹底することを通じて、選択
と集中によるメリハリの効いた財政運営を行い、成長と分配の好循環を
実現していくことが可能となる。
成長と分配の好循環を考える上で、部門ごとの貯蓄・投資バランスに着
目することも重要な視点である。部門ごとの貯蓄・投資バランスを諸外国
と比較すると、我が国では、これまで一般政府が恒常的な赤字を計上する
一方で、1990 年代後半以降は、企業部門が恒常的に貯蓄超過となってい

18

今後緊急避難的な施策を実施する際には、その目的を明確化するとともに、施策を段階的に
縮減する仕組みを設けるべきとの意見があった。
19 PDCA サイクルにおいては、会計検査院による決算検査報告を活用することも有効である。
20 予備費の計上や、基金の新設、積み増しは必要最小限とすべきとの意見があった。

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