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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (19 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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段階低く、シングル A 格となっている13。こうした状況を踏まえれば、我
が国はアメリカ以上に格付けの変更には留意し、財政への信認の確保に
〔資料Ⅰ-2-7~9参照〕
努めていくことが重要である14。
(2)民間主導の経済と財政運営に対する信認の確保
本年春の建議では、
「平時にこそ財政を健全化することが不可欠であり、
新型コロナ対策により一層低下した財政余力の回復が急務である」こと、

『経済あっての財政』という考え方のもと、民間主導の経済成長に向け
た環境整備を行うことが、政府の役割である」こと等を指摘した。その後
「歳出構造を平時に戻していくとともに、
政府は、骨太 202315において、
緊急時の財政支出を必要以上に長期化・恒常化させないよう取り組む」こ
と、
「『新しい資本主義』の下、新たな行動を実行に移す企業・個人を積極
的に後押しすることで、民需主導の持続的・安定的な経済成長を実現する
こと」等とした。〔資料Ⅰ-2-10 参照〕
我が国の足もとの経済状況は、先に述べたとおり、全体として平時に戻
りつつある。GDP ギャップについては、潜在 GDP の推計方法に課題が
あること等から幅を持って見るべきではあるが、内閣府、日本銀行の推計
とも縮小傾向にある16, 17。かかる状況を踏まえれば、骨太 2023 に基づき

13

主要な海外の格付け会社(Moody’s、S&P、Fitch)による日本国債の現行格付けは
Moody’s: A1、S&P: A+、Fitch: A となっており、更に2~3段階格付けが引き下げられるとト
リプル B 格(Moody’s: Baa1、S&P: BBB+、Fitch: BBB+)となる。
14 本年春の建議(令和5年(2023 年)5月 29 日)において指摘しているとおり、企業の格付
けは、その企業が主に事業を展開する国の国債の格付けが概ね上限となる「ソブリンシーリン
グ」との見方があり、国債の格付けが低下すれば、日本の企業全体の格付け低下を通じて、企業
の資金調達コストが高まることで、国際競争力の低下につながる懸念があることにも留意が必要
である。
15 「経済財政運営と改革の基本方針 2023」
(令和5年(2023 年)6月 16 日閣議決定)
16 このほか、GDP ギャップを財政支出で穴埋めすべきという議論について、昨年秋の建議では、
供給と需要の差を財政支出で埋め合わせるという対応では、資源の効率的な再配分を抑制し、経
済の成長力を低下させてしまうこと等を指摘しつつ、GDP ギャップの推移を一つの参考指標とし
て用いることはあり得ても、その絶対値に基づいて財政支出の規模を判断することはそもそも馴
染まないことに留意が必要であるとしている。
17 なお、1980 年以降の我が国の GDP ギャップ(内閣府)を見ると、各年代 10 年間の平均値は
いずれもマイナスとなっていること、諸外国における 1980 年以降の各年代 10 年間の GDP ギャ
ップ平均値を見ると、1980 年代のイギリス等を除き、多くはややゼロを下回る水準となっている
ことを指摘しておく。〔資料Ⅰ-2-12 参照〕

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