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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (123 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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各国も、インフレ抑制等の観点からも、大規模な投資を行う際には、同
時に必要な財源を確保している。
アメリカでは、2022 年8月、人的資本蓄積、インフラ整備、研究開発
の促進、環境対策の推進等への財政支出を通じた経済政策を推進する一
方、大企業への最低課税等により財源を確保し、10 年間で 3,000 億ドル
の歳入超過となるインフレ抑制法156が成立した。それにとどまらず、本年
6月には財政責任法157が成立し、債務上限の凍結とともに、歳出抑制策が
講じられている。
ヨーロッパにおいても、コロナ禍からの復興支援に当たり、デジタル
化・グリーン化を推進するための基金である「次世代 EU」について、財
源確保の議論がなされている。同基金は、2021~2026 年に EU 共同債を
発行することで資金調達されるが、プラスチック賦課金や排出権取引制
度の拡張等の新たな財源が確保され、2028~2058 年に EU 予算から償還
される仕組みとなっている。
〔資料Ⅱ-8-4参照〕
我が国でも、本年5月にいわゆる GX 推進法が成立し、今後 10 年間で
20 兆円規模の政府支援を行い、官民で 150 兆円超の投資を行うこととさ
れており、必要な財源を確保しながら、民間企業の投資を引き出す形で実
施するものとされている。現状では、成長志向型カーボンプライシング構
想の具体化で得られる将来の財源(①排出枠の発電事業者への有償化
(2033 年度~)
、②化石燃料賦課金(2028 年度~)
)を裏付けとした「脱
炭素成長型経済構造移行債(GX 経済移行債)
」の発行により、民間の GX
投資を支援する仕組みとなっており、2050 年カーボンニュートラルの実
現という長期目標に対して、財源を含めた長期的な戦略フレームワーク
が明確化されている。今後、迅速かつ着実に実行していくことで、民間企
業の予見可能性を高めていくことが重要である。
② 半導体等に関する投資支援の在り方
半導体等の DX 投資支援に関しても、最低限、GX のような大きな戦略
が本来あるべきである。個別の投資を進めるだけでなく、必要な財源と一
156
157

The Inflation Reduction Act of 2022, signed into law on August 16, 2022
Fiscal Responsibility Act of 2023, signed into law on June 3, 2023

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