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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (84 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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観点から費用対効果を検証した上で優先順位をつけながら装備品等の取
得を進めていくことが望まれる。その際は、宇宙・サイバー・電磁波等の
領域も含め、安全保障環境の変化に合わせた効果的な取得とする必要が
ある。あわせて、防衛力の抜本的強化を達成するためには限られた財源の
中で装備等を最大限に充実させる必要があり、価格低減等のコスト削減
に努めなければならない。〔資料Ⅱ-3-7参照〕
そもそも、装備品等の価格上昇の背景には、いわゆる「物価と為替の影
響」だけではなく、装備品の調達価格の仕組みも影響している。国の契約
は可能な限り低コストを追求すべく一般競争契約が原則とされている中
で、防衛省が調達する装備品等については、市販性が乏しい、製造可能な
企業が限られる等の特性から、随意契約とされ、
「原価計算方式」で調達
価格を算定することが多い。この「原価計算方式」においては、
「物価や
為替の影響」で価格が上昇したとされる部品や部材等の原価に対して、受
「物価や為替の影
注企業の経費率(GCIP98)等が付加されることにより、
響」以上に価格が増幅されて上昇する。さらに、装備品の仕様等の変化に
より、新たな作業工程が生じた場合には、必要となる治具等の製造ライン
の経費についても「初度費99」として国が負担する仕組みによる経費の増
加が見られる。〔資料Ⅱ-3-8、9参照〕
② 「原価計算方式」と原価の適正化確保等
「原価計算方式」のもとでは、その仕組み上、物価上昇や為替の減価に
よって製造原価が上昇すれば、受注企業にとって、GCIP 等を通じた利益
が増加することから、企業による自発的な原価低減の動機を低下させて
いる可能性がある100。
このような「原価計算方式」の仕組みや受注企業の動機低下による価格
上昇バイアスについては、発注側である防衛装備庁が主体となって、原価
GCIP とは、防衛省が原価算定方式で調達価格を算出する際に用いる、GC(一般管理及び販
売費率)、I(利子率)、P(利益率)を各装備品等の原価に乗じた額をいう。
99 初度費とは、生産の際に必要となる設計費、専用治工具費、専用機械費等のことであり、全
額国費で負担している。
100 令和5年度(2023 年度)以降、防衛装備庁は、GCIP に加え、契約期間の長さに応じた調整
率×原価の額を支払うコスト変動調整率を導入したが、いわゆる「まとめ買いによる価格低減」
を狙い契約を長くした場合にも支払額が増幅しまとめ買い効果が減殺されるなどの課題もある。
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