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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (22 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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営に支障を来し、他の歳出予算を圧迫するおそれがあるほか、我が国の事
業会社や金融機関などの資金調達にも悪影響を及ぼし得る。こうした事
態を回避し、中長期的な財政の持続可能性に対する国際社会や市場の信
認を確保していくためには、利払費が急増することによるリスクも念頭
に置きながら、責任ある財政運営を行っていくことが一層重要である。経
済あっての財政であることは言うまでもないが、財政が経済の足を引っ
張るようなことがあってはならないことを改めて強調しておく。
財政運営の持続可能性を確保していくことは、国のリスク・マネジメン
トの観点からも重要である。新型コロナがそうであったように、今後も自
然災害や感染症といった万一の事態が生じる可能性も否定できない。有
事の場合には財政に依存せざるを得ず、そのような状況下において機動
的な対応ができるよう、常に財政余力を確保していくことが求められる。
内閣府の中長期試算25, 26によれば、成長実現ケース27の下で歳出効率化の
努力を継続すれば、国と地方を合わせた基礎的財政収支の令和7年度(2025
年度)の黒字化が視野に入る姿が示されている。その目標期限の前年度であ
る令和6年度(2024 年度)の予算は、財政健全化目標が達成できるかどう
かを左右し得る重要な編成となる28。財政健全化目標の達成には、民間主導
の経済成長を実現しつつ、歳出効率化等の努力を継続していかなければな
らない。経済活動が平時化していく中で、基礎的財政収支を黒字化し、同時
に債務残高対 GDP 比を安定的に引き下げるという財政健全化目標の達成
に向けた道筋を国内外にしっかりと示し、経済・財政運営に対する市場の信
認を確保するとの覚悟を持って予算編成に臨むことが求められる。物価・金
利動向等我が国の経済の現況に鑑みれば、今がまさに財政健全化に軸足を
移すべき時であり、この機会を逃してはならない。
〔資料Ⅰ-2-16〕
「中長期の経済財政に関する試算」
(内閣府(令和5年(2023 年)7月 25 日))
なお、内閣府は、中長期試算において、骨太 2023 や経済財政諮問会議における議論等を踏ま
え、潜在成長率の寄与度別分解や分配面での指標等を新たに示すとともに、各シナリオや指標の
解説の充実、リスク・不確実性の分析、
「参考ケース」の分析の追加など、公表内容の拡充を行っ
ている。一方、春の建議で指摘したとおり、
「中長期試算」をめぐっては、独立財政推計機関の創
設に向けた検討着手を求める意見があり、まずは、各国の先行事例を研究していくことが考えら
れる。
27 TFP(全要素生産性)上昇率がデフレ状況に入る前の期間の平均である 1.4%程度に到達する
等の前提のシナリオ。
28 令和6年度(2024 年度)の概算要求総額は 114 兆円と過去最大規模となっている。
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